2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『無能の人』つげ義春

つげ義春の『無能の人』について、きょうはとっくり語ってみよう。そとには、めずらしく秋めいた小雨がふっているし、気温が20度を下回って膝掛けをしながらブログを打っているから、しんみり切ない「つげ義春」の「乞食論」を考えてみるのに恰好の夜にな…

石の砦の「うどんすき」

京橋にあるINAXギャラリーで“石はきれい、石は不思議展”を見たあとで、手にデジカメをぶらさげて、京橋2丁目にある、わくわく亭の仕事場へもどる途中、あれこれ写真を撮った。 手にカメラがあると、急造の写真家になった気分である。 それにデジカメは…

わずか2本でも…

わくわく亭の庭が小さいことは、すでにたびたび書いているので、どなたもご存知のこと。 そこに、2本のヒガンバナが咲きました。 生前母が好きだったもので、どこからか球根をもらってきては植えたのだが、なかなか増えてくれない。 地質や日当たりが影響し…

梨とリンゴ

十数年にもなるだろう。猫の額ほどの庭に、二本の苗木を植えた。梨とリンゴだった。 しかし、花も咲かなければ実もならず、そのうちに一本が姿を消してしまった。 残った木は梨かリンゴか。それがわからない。葉を見ても、果樹の知識を持たないかなしさ、さ…

余生の文学って?

広辞苑で「余生」をひいてみる。 「残りの人生。老後の生涯。《幸せな―を送る》」とある。 余生といったら、自分の家業を終えて息子に跡を譲ったとか、定年で年金生活に入った人の、その後の人生期間といったところだろう。 『余生の文学』という吉田健一さ…

石はきれい、石は不思議

石を見てきました。石と言っても宝石ではない。 津軽の海岸からコレクターたちが拾ってきた正真正銘の「石」の展示である。 いま、中央区京橋にあるINAXギャラリーで“石はきれい、石は不思議展”が開催されています。 期間は9月6日から11月24日まで…

21世紀少年

浦沢直樹の『21世紀少年(上)』を買った。 大泉学園の駅前にあるモスバーガー店で、ブレンドコーヒー(これ、190円で、うまい。マックとは大違い)飲みながら、あっというまの一気読み。 『20世紀少年』最終章のタイトルを「21世紀少年」に更める…

観客を充電する「発電ジョカ」

劇団「発電ジョカ」の公演『はりきりマンボ(命尽きるまで)』を観た。 場所は「麻布die pratze」といって港区東麻布にあるビルの2階のスタジオ風の会場である。 3日間に4回の公演で、きのう僕らが観たのは最終回の公演だった。 観客は超満員だったが、会…

わが家の「武蔵」どの

わくわく亭の家には、剣豪宮本武蔵が同居しています。 彼女が武蔵だということを、僕が識ったのは、彼女が「だって、わたしは宮本武蔵ですよ」とみずから告白したことによります。 そうか、武蔵であれば、納得もいく。 これまで彼女の非凡なワザを目撃するた…

梨をついに食べてみた

わくわく亭の小さな庭に十数年も前に植えた梨の木に、ことし初めて実がなった。 5個なった実は、今日まですべて無事に生長してきました。 ついに、本日、そのなかの1っこを、もいで食べてみました。 食べるまえに、記念撮影。虫食いが写っているのは、チョ…

はじめて芙美子が見た尾道

尾道ファン、林芙美子ファンのために、わくわく亭がお見せするお宝写真。 林芙美子さんが、行商する両親とともの尾道駅に降り立ったのが、大正5年(1916)で、彼女は13歳でした。 その頃の尾道駅の写真があります。明治31年に撮影されたもので、荷…

お芝居、お芝居

現代劇センター 真夏座 第112回公演 10/19 ~ 10/21 銀座みゆき館劇場 わくわく亭は真夏座にたのまれてブログで宣伝するわけではありません。真夏座で主演クラスの役者に成長した羽藤雄次くんをヨイショするためのボランティアです。 今回は岸…

歩のない将棋は負け将棋

朝のTBSラジオ番組が、聴衆からのリクエスト曲をながしている。 ~ 歩のない将棋は負け将棋 世間歩がなきゃなりたたぬ 演歌の王様 北島三郎が唄う『歩』という歌であることくらい、わくわく亭でも知っている。ただし、 わくわく亭はカラオケでも「さぶち…

枕がかわって眠れない

枕がかわると眠れない。 写真はわくわく亭が昨晩使っていた枕です。 朝、明るくなって、はじめて自分が使っていた枕のカバーを見たのだ。眠れなかった原因は、ここにあった。 「Nightmare Before Christmas」のデザインだった。これじゃあ、悪夢で眠れない。…

滅びや遊べ花吹雪

「死を想え」のサブタイトルをつけた詩人中野朱玖子さんの詩集『詩苑物語』を紹介したが、わくわく亭は詩よりもむしろ、彼女の短歌と俳句が好きだ。 彼女のようにすぐれた歌人(ここでは詩人と呼ばないで、歌人と呼ばせていただこう)と、わくわく亭のように…

本をつくるという心の贅沢(3)

中野朱玖子さんの詩集「詩苑物語」です。副題が「死を想え」である。 中野さんは詩人です。短歌集もある歌人です。句集もある俳人でもあります。 彼女の短歌と俳句については、別の日に紹介しようと思って歌集、句集の写真もとってあるのですが、 いずれも角…

村上春樹の「グレート・ギャツビー」本をつくる心の贅沢(2)

村上春樹さんの「グレート・ギャツビー」 「本をつくろという心の贅沢(1)」で、このコーナーの主旨はのべました。 村上さんの豪華版「グレート・ギャツビー」はもちろん私家版ではありません。 中央公論新社からは、この豪華版と普及版の2種類を同時発売…

愛書家今江祥智の本をつくる心の贅沢

わくわく亭のもとに近年やってきたいくつかの本の贅沢な装いについて。 本は書いてある内容と、その内容を包む装丁、造本とがひとつとなって完成するものです。 古来、と大げさにいわなくても、美術品のような本は、どの時代にも造られてきました。 作家のな…

荻窪の会

岩品長老、高宮さん、滝沢さん、暑い中ごくろうさまでした。 ゆいまさん、お世話をかけました。おかげで、愉快な文学談義ができました。 場所が荻窪駅の北口マンション。これ以上足場のいい場所はありません。 ゆいまさん、かさねてお礼申します。 午後の2…

号外 「しんちゃんが辞めた」

号外、号外!! 安倍さんちの、しんちゃんが、「ぼく、もうやーめた」だって。 しんちゃんはクラス委員長がもうイヤになっちゃった。 まじめにやっても、生徒たちはしんちゃんをバカにするばかりで、意見に従おうとしない。 ほかの委員たちは、失敗ばかりし…

アバターをこしらえました

アバターをつくってみました。 顔も身体も着るものも、よりどりみどりだから、選ぶのがたいへん。あまりたくさん見ると、 迷って選べなくなるから、適当にエイヤーときめる。 部品はすべて「無料」に限った。 マグカップを持たせたので、これからはマグカッ…

投石にご注意を!!

それは、8月にニュースバードの報道で見た映像だった。 豊橋市立の動植物園で、オスのチンパンジーが見物人に向かって小石を投げる映像だった。 チンパンジーは9匹いる群れのボスということだった。いつのころからか、彼は見物人に石を投げつけるようにな…

「カラマーゾフの兄弟」と新訳ブーム

近頃ドストエフスキーの名前をかなり頻繁に、新聞の書評欄や広告欄で見かけます。 光文社が古典の新訳文庫というものを出版しており、そこへロシア文学者である亀山郁夫さんの新しい翻訳で「カラマーゾフの兄弟」を出したところが、翻訳者はもちろんのことだ…

女優高橋恵子(関根恵子)さんに会いにいけるか?

わくわく亭の友人であるノンフィクション作家高宮檀(たかみや だん)さんが、彩流社から出版した 新著『芥川龍之介が愛した女性』は好評のうちに売れ行きも上々ということらしい。 芥川の小説「藪の中」と「或阿呆の一生」に登場してくる女主人公のモデルが…

「おやじ」って台風のことか?

「尾道少年 ヒカルくん」を書いて、一息ついたら,もう3日たった。 「尾道少年 ヒカルくん」には僕のブログ訪問者数の新記録が出ました。それで安心していたら、すぐ 3日過ぎて、訪問者は減ってしまうだろ。 このブログってさ、どんどん新ネタを書かなきゃ…

尾道少年 ヒカルくん(6)

尾道の花本夫人からおみやげにいただいたタマネギです。 夫人は尾道に住んでいます。小学校の先生を退職の後、趣味としてはじめた野菜作りが、とうとう 食品スーパーで売るまでに発展してしまったのです。 タマネギには《尾道産 地場産直売(花本)税込価格 …

尾道少年 ヒカルくん(5)

ラーメン店をでると、僕が小学5年から高校卒業するまで暮らした尾道一番踏切のあたりを歩くことにした。花本さんとヒカルくんと3人。 僕の小学校である土堂小学校を長い石段を上がってみた。ほぼむかしのままのようだった。 校庭から千光寺山へ登る裏道が…

尾道少年 ヒカルくん(4)

時刻は午後の2時ころ。 車は向島から長江口にでて、ゆっくりと朱華園の前を通る。店舗の前に並ぶ長い人の列。30人はいる。これでは1時間も暑い屋外で待つことになる。写真がそれ。 花本夫人が、朱華園よりおいしいという店に行ってみるが、ここも人の列…

尾道少年 ヒカルくん(3)

尾道大橋から向島に渡り、島の南側を回った。岩子島をすぎ、因島大橋をくぐった。 上の写真が因島大橋です。 今年の春から、因島市は尾道市に合併して尾道市因島町になった。橋のむこうには因島の町並みが見えた。観音崎を見た。はじめて見た。 むかし西国か…

尾道少年 ヒカルくん(2)

僕の小説『尾道渡船場かいわい』で主人公の高校生が、恋人の少女を待っていたのが浄土寺の境内で、 写真はその寺の石段下を撮ったもの。石段の途中にガードが見えるが、その上をJRが走っているのです。 少女が向島から渡ってきたのが、この浄土寺下にあっ…