2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

1/f ゆらぎ

10月2日のブログ『前田陽一遺稿集』(書庫「ときには本の話もね」に収む)で、ガンで倒れた映画監督の前田さんが、書き残したシナリオの一部を紹介したときに、宇宙のリズムに「1/f」のゆらぎがあることを書いた。 すると、いつも通っている銀座の道で、…

へんてこなもの

これが、わくわく亭を訪れた季節と、どういう関係があるのか、ないのか、わからない。 わからないことは 深く考えない。 花屋の店先の鉢植えにして出すくらいだから、どこか遠い国からやってきた植物で、そこでは 日本の秋にこうして実っているのだろう、く…

『小林和作伝 花をみるかな』

このマンガは尾道でNPO法人「尾道てごう座」という創作劇団を運営している田島美鈴さんから 贈っていただいた本です。 「尾道てごう座」では林芙美子、小林和作などの、尾道にゆかりの深い作家や画家をとりあげて、創作劇を上演してきました。 このマンガ…

『青春の逆説』織田作之助

わくわく亭は高校のころ織田作之助を読み始めた。その頃、織田作之助は、太宰治、坂口安吾と並ぶ 戦後文学の旗手と呼ばれて、文学青年たちの熱いあこがれの的だった。 大学入学がきまって、大阪の実兄のもとを訪ねて行ったとき、 「はじめての大阪で、どこか…

散歩のゴール

快晴である。 ブログばっかりやってないで、せめて散歩くらいやらないと、せっかくの秋晴れが無駄になる。 パソノンに張り付いている亭主を見限って、わくわく亭の女房どのは、きのうも、今日も東映撮影所 前のシネコンへ映画を観におでかけだ。 いま気に入…

『二つ枕』杉浦日向子(2)

『二つ枕』は月刊マンガ誌「ガロ」1981年8月号~11月号の4回に連載された、初期の杉浦日向子の傑作である。 「初音」「麻衣」「萩里」「雪野」の4編連作であるが、タイトルは主人公の遊女の名前である。 ここで杉浦日向子さんの特筆すべき才能を指…

華宵好み

「大正ロマン」を代表する挿絵画家、高畠華宵(たかばたけ かしょう)の作品展を開催した朝日新聞社から発行されたカタログを、わくわく亭は八重洲地下の古書店で手にいれました。 華宵については昨日のブログに略説したところですが、目録の中から、わくわ…

『二つ枕』杉浦日向子

2005年7月杉浦日向子さんは46歳という若さで、惜しまれながら亡くなった。ガンだったと聞く。04年11月に、ガン再手術を受けた後、翌年の1月、たったひとりで南太平洋クルーズの旅にたった。その6ヶ月後には帰らぬ旅へと発たれた。 その生前に筑…

大正ロマン

高畠華宵(たかばたけ かしょう)作品展の目録です。 目録だから、本のような奥付はないし、定価表示もない。発行は朝日新聞社(1988)。 作品展は高畠華宵の生誕100年を記念したもので、朝日新聞社主催で1988年1月に、東京渋谷の東急百貨店本店…

長野から

長野からやってきました。 ひめりんご。 ゲートボールの試合があって、長野まで団体バス旅行してきた義理の父が、昨日わくわく亭の女房に もたせてくれたお土産でした。 「仏壇にお供えしてしておきますから、あとでブログ用に写真にとったらいいでしょう」 …

百合子姫の高笑い

物部守屋(もののべのもりや)が殺されたのは用命天皇2(587)年7月のことです。 そこへ至る歴史的過程をかいつまんで述べます。 物部氏は有力な軍事氏族で、対立する蘇我(そが)氏と権力、勢力をはげしく争っていました。 蘇我氏は仏教尊崇派であり、…

マック襲撃

村上春樹さんがまだ若いころ書いた作品に『パン屋再襲撃』という短編があります。 「僕」と結婚したばかりの「彼女」とが、深夜、耐え難い空腹を覚えたものだから、それだけの理由からパン屋を襲撃するという風変わりなお話。 襲うべきパン屋を物色するのだ…

10月31日

大泉学園駅近くにある輸入食品店は、ごらんの通りハロウィーンにちなんだ菓子類で満艦飾のありさまです。 11月1日が万聖節で、そのイヴが10月31日のハロウィーン。 その日のために、クリスマスケーキのように、お菓子を売ろうとしているわけ。 いつの…

菓子の塔は何なのか?

毎日のように銀座一丁目の交差点を渡りながら、角にあるコージーコーナーのお菓子のショーウンドーの中に立つトンガリ帽子を、眺めるともなく眺めてきたわけだ。 写真の1.がそれなのだ。 いつから立っているのか、かなり以前からだ。 それが、なになのか、…

月島・もんじゃ焼き

月島の「もんじゃ」を食べるのは、これがはじめて。 「もんじゃ」は東京ではお好み焼きの店なら、たいていのところで食べられる。(関西風とか、広島風とか、地方色を強調するお好み焼き店は別にしてね) キャベツに、肉だのイカ、エビなどを鉄板でいためな…

どこ?月島の「もつ煮」

わくわく亭とDJのタキザワ氏、ノンフィクション作家のタカミヤ氏の3人は、銀座で「真夏座」の 公演を観てから、地下鉄有楽町線で月島へいきました。 路地の中で商いをしている味で評判の「もつ煮」の店をめざしたのです。 「雑誌やテレビで紹介されたから…

秋でも「真夏座」を

現代劇センター「真夏座」第112回公演を見てきました。 芝居については、この書庫の9月23日の記事で紹介しておきました。 劇場は「銀座みゆき館劇場」。 場所は銀座外堀通りの日動画廊の並び。外堀通りとみゆき通りの交叉する角にある。 わくわく亭は…

こうべを垂れる

毎週土曜日に、茨城の農園から届く無農薬の野菜。 わくわく亭のお隣さんが世話人となって、共同購入しているもの。 生産者からのグリーティング・カードの役目を果たすのが、この稲穂です。 午前中ののどかな日差しを浴びて、いい写真がとれました。 さて、…

銀座の花壇

京橋から銀座の中央通り沿いにつくられた花壇に、秋らしく菊の仲間であるマリーゴールドが植えられました。 きのうは、たまたまデジカメを所持していたので、さっと(というほど、さっそうとしてはいないけれど)バッグからカメラを取りだして撮影したもの。…

「ありがとう」

朝、ポストに新聞をとりにいって、コリウスの鉢に小さなバッタがとまっていたので 写真をとった。 妻によると、コリウスは細い茎がのびて小さな花が咲くのだが、そうすると 葉がダメになるので、葉を茂らせるために、花の茎は切ってしまうのだそうだ。 花よ…

上級コースのエロスの味

詩人藤木明子さんの詩集『どこにいるのですか』は2005年6月に編集工房ノアから 発行され、わくわく亭は幸運にも、すぐに入手することができた。 【ISBN4-89271-592-1 C0092 ¥1900E 編集工房ノア TEL 06-6373-3…

焼け跡

昨日の火災現場です。 あれほどの火災だったから、もっと大きな建物を想像していたのだが、意外なほどこぢんまりした店舗と倉庫だった。 三平商会の隣家の建物には、被害はなかったように見えた。あいだに5~6メートルの空き地、あるいは通路があったにし…

『黄色い本』高野文子

わくわく亭は文芸書は人並みに読んできましたが、マンガの読書量は、自慢できるほど多くはないのです。 ですが、手塚治虫文化賞のマンガ大賞をもらった作品は見逃さないようにして読んでいます。 高野文子さんの『黄色い本――ジャック・チボーという名の友人…

京橋で大火事

たいへんだ!! わくわく亭の仕事場の真っ正面で火災が発生。午後の1時半過ぎだった。 窓から丸見えだ。その距離45メートル。 いやー、びっくりしたのなんの。 中央区京橋2丁目。 兼松の高層ビルとナショナルビルの中間にある、三平商会という電器商が火…

『木のごときもの歩く』

この「書庫」のタイトルが二転三転しております。 最初「お宝本」とつけてみましたが、自分のコレクションを自慢する“いやらしさ”があるようで、謙虚をモットーにすべしと、これを撤回しました。 だいいちお宝と呼べるほどの稀覯本が、わくわく亭にあるわけ…

『還暦以後』

タイトルに惹かれて、この文庫本を買う気になる若者はすくないだろう。 還暦が近いとか、還暦を過ぎたとかいう年齢の人が手にとって見たくなるタイトルである。 筆者の松浦玲さんは1931年の生まれだから、いま76歳。「還暦以後」を語っても、どこから…

『湾』の石山淳さん

石山淳さんから詩の同人誌『湾』26号が届いた。 石山さんはこれまでに、すでに8冊の出版された詩集をもつ、円熟期の詩人です。 そのうちの1冊が写真の『石山淳詩集』で、2007年1月、日本図書刊行会の「トレビ文庫」から発行されたもの。 『湾』には…

ガガーリン・クロカワ

73歳で急逝した建築家の黒川紀章さんは、まだ丹下健三研究室で学んでいた若い頃、先輩たちから、《ガガーリン・クロカワ》と呼ばれていたそうだ。 ガガーリンとは、人類最初の宇宙飛行士で、「地球は青かった」という名言を残したソ連人である。 そのガガ…

ベツレヘムの星

鎌倉に住む友人から写真が送られてきました。 友人はM.Harukoさんといって、わくわく亭の学生時代の同期生です。 お便りには、うれしいことに、このブログを読んでいるとありますので、お返しに頂いた写真の中か ら、2枚をご披露することにします。 彼女が…

うさぎ

きものを着たうさぎのオルゴールです。 自分の家なのに、見たことがないものって、あるものです。 このうさぎは母親が使っていた和室にあるテレビ台の下の物入れにあったもの。 両開きのガラスの中には、母がどこからか貰ってきたらしい、干支の置物とか、 …