2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

古代インダスの女

中央区京橋にある骨董店「太陽考古堂」に古代インダスの男前の像が展示されているのを 紹介したが、最近になって女性像がならべて展示されている。 鼻の一部が欠けてはいるが、紀元前2000年ころの丸顔の女性のいきいきとした 個性のある像である。

バナナ共和国

日本は「バナナ共和国」のような国である、とアメリカの雑誌ニューズ・ウイークが報じている。 バナナ・ダイエットが大ブームになって、市場でバナナの供給不足が生じたといわれたのは、昨年末 のことだったろう。 そのブームはやや下火にはなったらしいが、…

高野文子『おともだち』(3)

高野文子さんの作品「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」を熟読玩味しているワケだが、 タイトルの「鳥」は、もちろん「青い鳥」のことになる。 わくわく亭も高校生の頃岩波文庫でメーテルリンクの「青い鳥」は読んだものだ。 童話ではあるが、道徳の教本のような内…

高野文子『おともだち』(2)

「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」は自意識過剰な「乙女」の頃の少女たちが、 それゆえにガラスのように壊れやすく繊細なこころで、真・善・美を少女どうしの 友情のなかに求めようとする、うるわしい季節のものがたり、なのである。 吉屋信子の『花物語』の中に…

高野文子『おともだち』(1)

本の装幀はマンが本というより童話本を思わせる。 すみずみにまでレトロな雰囲気を纏わせた造本、装幀なのである。 それは大正ロマンというか大正モダニズムを感じさせたブックデザインである。 なにしろ手の込んだ本で、本好きの嗜好を満たしてくれる『おと…

『尾道坂道書店事件簿』

今朝の朝日新聞一面に載せられた書籍広告である。 この広告を見るのは、これで3回目。どれだけ出版社である「本の雑誌社」が、この本の 販売に力を入れているかの証明である。 広告から内容の説明を紹介しよう。 坂の町・尾道に車いすで店頭を駆け回る書店…

斎藤美奈子の文芸時評

辛辣な文章と、びっくり仰天するほど斬新な切り口で人気の文芸評論家、斎藤美奈子さんが、 いま朝日新聞の文芸時評を担当している。 雑誌とは違い、かなり品のいい批評文になっているのも、朝日新聞という環境では、あまり あけすけなカジュアルな文体では書…

イチローは高倉健か?

WBCの日本チームが優勝した。 WBC2連覇というより、日韓戦の決着というムードが日本と韓国を熱狂させたといってよい。 日韓の異様なムードがなければ、日本がキューバに勝とうとUSAに負けようと、これほどまでの 熱狂と盛り上がりはなかったであろ…

「絶対安全剃刀」と「ラッキー嬢ちゃん」

高野文子さんの本を2冊手に入れた。 『絶対安全剃刀』と『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』とである。 高野さんの『黄色い本』について書いたのは07年の10月で、 (http://blogs.yahoo.co.jp/morioka_hisamoto/23690740.html) その時点でわくわく亭…

岡崎京子読本

いい雑誌を手に入れた。 河出書房新社が文芸誌「文藝」別冊として2002年3月に初版発行した“岡崎京子読本”とも いうべき特集雑誌の2006年3刷である。 吉本ばななさんをはじめとする文芸界の岡崎ファンが岡崎論を書いたり、インタビューに 応じたり…

「三原まで」評

雑誌「姫路文学」121号に、わくわく亭は「三原まで」という28,9枚の短編を書いている。 話は作者が40年もむかしの学生のころ、帰省するために乗った普通列車のなかで いくつか年上らしい若者と知り合い、大阪から尾道までの5時間ほど、彼と彼の双…

「バガボンド」熊本へ罷る

八重洲ブックセンターの7階は美術、芸術、グラフィック、洋書の売り場である。 井上雄彦の名前がついた雑誌を見かけたから、すぐに買った。 「ぴあ」といったらチケット販売の会社じゃないか。そこが「井上雄彦ぴあ」という雑誌を出すとはね。 井上雄彦が東…

VIRGIN

いかにも岡崎京子らしいタイトルをつけた第一作品集である。 20歳でマンガ家デビューした作者が23歳で出版した初めての本である。 わくわく亭が入手したのは白夜書房版(1985)の初版である。1989年には河出書房新社 から新装版が出ているから、…

「東京物語」の香川京子さん

日経新聞の名物記事である『私の履歴書』に、今月は女優の香川京子さんが登場して連載中である。 本日の記事は映画「東京物語」(1953年)に出演して、尾道で撮影した思い出を綴っている。 香川さんは尾道に住む両親笠智衆さんと東山千栄子さんの末の娘…

シェークスピアの素顔

イギリスの劇作家ウイリアム・シェークスピアの生前の肖像画が発見されたというニュース。 シェークスピアの肖像画というと、この頭の禿げた肖像が見慣れています。 比べてみると、鼻筋から眉にかけての線、眼の形など、よく似ています。 ロンドン発の共同通…

退屈が大好き

古書店で買った本には、発売当時の「記念品」が挟まっていたりする。 この1987年発行の『退屈が大好き』には、俵万智さんの短歌集『サラダ記念日』の宣伝チラシ が挟んであった。どちらも河出書房新社からの発行だから、読者層が重なると思われたのだろ…

八重洲古書館にて

これだから古書店は、根気よく時々のぞいておかねばならない。 今日の午後、散歩の途中、八重洲地下街の古書店「八重洲古書館」にぶらり立ち寄った。 美術、歴史、考古学、芸能、書道といった専門書を置いている古書店で、案内書にある 写真のような小ぎれい…

今週の「朝日歌壇」入選歌

「ホームレス歌人」というニックネームがつけられた投稿歌人公田耕一さんの歌が、今週の「朝日歌壇」 に2首入選している。 公田さんは朝日新聞が連絡をしてほしいという呼びかけの記事は読んではいるが、 「連絡をとる勇気は、今の私には、ありません。誠に…

「999」で発車

知らなかったよ。 いまYAHOOニュースを見たら、《大泉学園の発車曲999に》という見出しがあるではないか。 記事は次の通り。 “アニメのまち”東京都練馬区にある西武池袋線大泉学園駅の発車メロディーが 8日の始発電車から、劇場版アニメ「銀河鉄道…

尾道学研究会

「江戸学」とか「大阪学」などという言葉はある。 「尾道学」というものがあってもおかしくはない。 しかし実際に「尾道学研究会」というものがあるのだと聞くと、 「本当に?」と思ってしまう。 いや、本当なのである。 その研究会は2005年に結成され、…

オバマ大統領の声の秘密

朝日ニュースターというテレビチャンネルがあって、政治経済についてのいろいろな ディベート番組が面白く、ちかごろわくわく亭が好きなチャンネルです。 今朝、いつものようにヨーガ体操をしながら、そのチャンネルにあわせると、 武田鉄矢さんが司会をする…

庭の梅

庭の梅は、今日あたりが見頃でしょう。 風もなく暖かく、おだやかな春日です。

うららかな午後

「ホームレス歌人」続報

2月16日の記事で「朝日歌壇」に投稿する「ホームレス歌人」公田耕一さんの入選歌を紹介した。 その中にシャンソン歌手ジュリエット・グレコの歌を詠い込んだ次の一首があった。 美しき星座の下眠りゆく グレコの唄を聴くは幻 この歌について今朝の朝日新…