2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『旅と散歩の部屋』とリンク

『旅と散歩の部屋』というサイトは、尾道が好きなひとなら、誰一人知らぬものはない、というくらいいまや有名になった、またそれだけ内容的にも充実した、面白くて楽しいサイトです。 サイトを運営するおのふみとさんから、つい数日前、『わくわく亭雑記』に…

頼山陽18歳の旅日記(2)

3月17日、頼山陽たちは、尾道から舟に乗ります。 「千光寺、天寧寺、西国寺などの楼閣が、市の後の山腹に高くそびえているのを見る。 なかでも千光寺がもっとも高い。10丈ばかりの水精石の、六角形をしたものが、塔の上に突っ立っている。 昔、唐人が夜…

頼山陽18歳の旅日記(1)

頼山陽(らいさんよう)は広島藩儒の家に生まれた儒学者であり、漢詩人であり、歴史家であり、思想家でありました。 山陽について書かれた書物は、学術的な研究書、評伝から梶山季之さんのはちゃめちゃな時代小説まで、おびただしい数にのぼります。なかでも…

カラスの攻撃

27日の日曜日、僕は2時間ほどのウォーキングに出かけました。 サクラの木の下を歩くと、真っ赤に熟した丸い実が落ちているのに気がつきます。見上げると、あの枝にもこの枝にも、たくさんの実がなっています。 僕は手のとどく下枝の先端をつかまえて、1…

小津安二郎監督のやがてかなしき後ろ影(3)

都築政昭さんの本『小津安二郎日記』(講談社)から、僕が好きな小津さんの歌や詩を、ほんのちょっと紹介しようと書き始めたところが、(1)(2)でも終わらず、予定外に(3)にまで延びてしまいました。 同書から写真を2枚借用させていただきます。(2…

小津安二郎監督のやがてかなしき後ろ影(2)

小津監督と作家志賀直哉との親交は、彼が46歳(昭和24年)の頃からはじまったようです。 さらに、志賀直哉の紹介によって鎌倉在住の作家たち、里見弴、川端康成、大佛次郎、小林秀雄らとの交流へとひろがります。映画『宗方姉妹』は大佛の原作ですし、『…

小津安二郎監督のやがてかなしき後ろ影 (1)

小津安二郎さんといえば、いまや映画『東京物語』で世界的な名声をほしいままにする名匠監督です。 最近では,彼についての数々の評伝に加えて、日記、有名作家たちとの交友記なども出版されて、人気は衰えることを知りません。 尾道出身の僕わくわく亭としま…

ツバキにチャドクガの幼虫がついたので

昨日の朝、思い切って、庭にあるツバキ、ワビスケ、サザンカの枝を切りおとしました。 数日前から、妻が薬品で庭の木を消毒してやりながら、 「チャドクガの幼虫がついたみたいだから、いまのうちに枝葉を切ってしまわないと」といっていました。 放っておけ…

Y字路

散歩の途中、はじめてY字路にであったとき、どちらにしようかと、迷うことがある。片方が明るい川沿いのなだらかな道で、もう片方が竹やぶ下の暗いでこぼこ道だとしたら、もちろん前者を選ぶ。 そのつぎからは、迷うことなく同じ道を散歩コースとするから、…

未発表の短編文庫

僕 わくわく亭も作家のハシクレであれば、本や雑誌に未発表の短編をこの文庫に収めて、訪問者にお楽しみいただこうとかんがえています。 ぼちぼち、参ります。

庭にナシとグミがなりましたぞ。

5月12日の日記に「庭木の果実」を書いて、花はつけても実がならないと、なげいたばかりでしたが、なんと、今朝妻に教えられて見てみると、茱萸(ぐみ)の若い木は、まだ背丈は低いものの、何十個と数えきれない実をつけているではありませんか。 実はまだ…

池波正太郎さんの年賀状

五月の下旬にもなって、年賀状の話でもないでしょうが、 亡くなって15年になる作家の池波正太郎さんのことで、 いい話を思い出したものだから。 『鬼平犯科帳』『剣客商売』などで今も人気のおとろえない 池波さんですが、命日は5月3日でした。 いい話と…

尾道の一番踏切

この写真は、福山市に住む大西ながこさんから送られてきた、ハガキ仕立ての尾道の風景写真の一枚です。 大西さんは、僕わくわく亭の高校の一年先輩です。写真はいずれも、彼女の知人である中元紀子さんの作品です。 さて、この写真は在来線尾道駅から近い踏…

いい波形とは?

僕 わくわく亭は本日は仕事を休んで、東村山にある新山手病院にいきました。先月末に予約をしておいた前立腺検査をうけるためです。 先月体調をくずして、半月も医者通いしたときに、夜中に眼が覚めて、たびたびトイレにいったり、排尿もいきおいがなく、残…

尾道の渡船(とせん)

写真は昭和28年のものです。 小型車を押し込もうとしていますが、当時車をのせるケースはまれでした。尾道と向島との間を通う渡船(フェリー)は4,5ヶ所ありました。船の形はおなじではありませんが、写真のものが代表的な船型でした。 僕の小説「尾道…

パッチン(めんこ)をする少年たち

写真は昭和28年のものです。 尾道市内の道ばたでパッチン遊びにふけっている少年たち。うしろに写った店は、駄菓子屋かもしれない。パッチンはそんな店でも売っていた。 写真左端の少年は、かれらの中で一番背が高く、中学生らしい。いつも、着た切り雀で…

ベッチャー祭り

この写真は昭和33年ころの尾道吉備津神社の例祭「ベッチャー祭り」の街頭風景です。 僕の小説集『尾道渡船場かいわい』に収めてある「ベッチャー祭りのあとで」は昭和30年11月3日のこととして書いていますから、この写真はほぼ同時代のものといえます…

晴好雨奇

NHKの気象予報士のおじさんが、「今日の一言」で気の利いたことを言うことがあったと、書いて 雀が桜の花の蜜を吸うことを紹介しましたが、もうひとつ、彼が話した「雨奇晴好」という言葉も紹介しておきます。 「4月のころ、降っても晴れても景色がすば…

なつかしい写真集

僕 わくわく亭が大事にしている一冊の写真集があります。 国書刊行会が昭和54(1979)年に発行した「ふるさとの想い出写真集 明治・大正・昭和 尾道」というのがそれです。尾道市文化財協会の理事だった財間八郎、朝井柾善両氏が編纂したもの。 僕の小…

劇団「真夏座」公演

現代劇センター「真夏座」の第111回公演をちょっとご案内します。 原作=長谷川伸 演出=池田一臣 「江戸の虎退治」「掏摸(すり)の家」の2本立て。 会場=文京シビックホール・小ホール 期間=5/31(木)~6/3(日) 詳しくは真夏座へ問い合わ…

桜と雀

きのうの日記にセキレイと桜の実について書いてから、思い出したのが、満開になった桜の枝にとまった雀たちのことです。 桜の花に雀って、あまりなじみのない組み合わせです。 よくみかける取り合わせとしては、桜の花にはウグイスとかメジロかな。色彩が映…

魚屋さんのセキレイ

セキレイは、だいたい水辺にいる野鳥ですが、最近は住宅地でもごくふつうに見かけます。 羽の色は白と黒で、長い尾が特徴。スズメ目に分類される小鳥ですが、長い尾の部分だけスズメより大きいかんじで、その尾を上下に振る習性があります。チチッ、チチッと…

庭木の果実

わくわく亭のちいさな庭には実のなる木が植えてあります。 ざくろ、梨、リンゴ、そして茱萸(ぐみ)の木です。ざくろは見事な実を毎年のように、たくさんつけていましたが、この数年は実をつけません。 果実をつけるために必要な土壌の条件がなっていないせ…

第11回手塚治虫文化賞新生賞を受賞したのぞゑさん

今朝の朝日新聞で受賞作品が発表されていますが、ひときわ僕の目を惹いたのが新生賞受賞の漫画版 「神聖喜劇」で作画を担当したのぞゑ のぶひさ さんの経歴です。 原作の「神聖喜劇」は大西巨人さんが四半世紀をかけて書き上げた超弩級の長編小説。 東大中退…

マンガ家かわぐち かいじさんに遇いました

書庫「尾道少年ものがたり」に浦沢直樹さんの「20世紀少年」について書きました。近年、僕は 手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した作品は、長編、短編ともにのがさず読むことにしています。 井上雄彦(いのうえ たけひこ)さんの「バガボンド」はもちろん熟…

20世紀少年(2)

浦沢直樹の「20世紀少年」について、もう少し書くとしよう。 作者は1960年の東京生まれ。 大阪万国博覧会開催の1970年には10歳で、小学校4年生のころだ。そのころの少年たちの感性を みずみずしく描写して感動させる。 万博に行けた子供、行け…

20世紀少年

4月に2週間寝込んだ間に浦沢直樹の人気絶大のコミック『20世紀少年』22巻を読みました。22巻でもまだ完結していませんが、最終章が雑誌連載開始ということで、完結も近いのでしょう。 まえに『モンスター』完結の18巻を読みましたが、作品の完成度…

はじまりは森鴎外

僕の江戸文人好きは森鴎外の歴史小説、なかでも漢文や漢詩がいっぱいで読みづらい史伝ものに分類 される作品からはじまったものです。 「渋江抽斎」「阿部一族」「伊沢蘭軒」などです。 「伊沢蘭軒」などは、部厚い漢和辞典なしでは1ページも読めません。 …

ヨーガ歴12年

僕のヨーガ歴も12年になりました。 それまではウォーキングに熱心で土曜、日曜、祭日は弁当と飲み物をリュックにいれて、午前中から夕刻まで歩き回っていました。 詳細な地図を持っているので、はじめての土地でも、まず迷うということがなく、多少の不安…

南畝びいき

大田南畝(おおたなんぽ)のひいきです。 昼はそつのない幕府勘定所のお役人、夜はやくざな狂歌師、と称されている南畝、狂歌名は蜀山人。 これまで、かれについて3冊の本を書きました。 『南畝の恋ー享和三年江戸のあけくれ』1999年6月刊、澪標(みお…