2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「三余」と「三上」

読書週間である。 朝日新聞の「天声人語」が博識なところを見せてくれた。 中国に「三余」と「三上」という、どちらも読書に関係する言葉があると教えてくれた。 三余(さんよ)とは、読書に適した3つの余暇のこと。 冬・夜・雨の日、の3つであると。 なる…

中川清さん

中川清さんは落語の桂米朝さんの本名です。 米朝さんの文化勲章受賞が発表になりましたね。 人間国宝である米朝さんが、わくわく亭の文学仲間だという記事を書くつもり ではありません。 米朝さんの実弟である中川敏さんが、「姫路文学」の同人仲間で、お顔…

『恋ヶ窪』刊行

新著『恋ヶ窪』が刊行のはこびとなりました。 書店への配本は来週中くらいになるのでしょう。 Amazon,楽天ブックス、セブン・アンド・ワイなどのネット書店での 取り扱いは10月末から11月はじめになるでしょう。 発売のお知らせは、配本が開始と…

満鉄ポスター展・作者不詳

「満鉄ポスター展」から作者不詳の2点を紹介する。 「朝鮮へ満州へ」 いまならば、お正月はハワイへ、GWは香港へ、と航空会社が宣伝するところであるが、 戦前の海外旅行といえば、韓半島から満州への船旅を宣伝したものである。 当時の航路は、神戸港ー…

満鉄ポスター展・真山孝治

「満鉄ポスター展」に出品された16点の中に、真山孝治の「民族衣装の女性」がある。 真山孝治(1882~1981)岩手県室根生まれの洋画家である。 明治15年の生まれであるから、伊藤順三より8年の先輩である。 1897年東京美術学校日本画科入学…

伊藤順三(3)

「満鉄ポスター展」から伊藤順三の作品を紹介している。 3点を合わせて展示する。 「高脚踊り」 「仮面踊り」 「満州上流夫人」 伊藤順三は明治23年(1890)に生まれ、昭和14年(1939)に49歳で没している。 上野にあった「小河屋」という呉…

伊藤順三(2)

「満鉄ポスター展」から伊藤順三の作品を紹介する。 1930年制作の「玉の頭飾りの女性横顔」。 これもまた鉄道ポスターの収集家中村俊一郎さんの所蔵である。 (中村さんのコレクションを紹介するブログがあるから、鉄道ファンの方には興味があるだろう。…

満鉄ポスター展・伊藤順三

南満州鉄道(満鉄)の元社員たちでつくる「満鉄会」が開催する「満鉄ポスター展」。 一般公開は23日の午前11時から正午までの、わずか一時間というから、 会場の港区高輪ホテルパシフィックまで行くことはできない。 同会のHPから伊藤順三、真山孝治ら…

高血圧

わくわく亭は高血圧症であると診断された。 10月4日の日曜日、午後の2時頃テレビを見ていて、ふとトイレに立つと、目眩がした。 おや、血圧が下がったのかな、と血圧を測ってみた。 血圧計はいつも手近にある。 下がっているのではなくて、180-11…

「発電ジョカ」第15回公演

今年の公演は、いまや日本の小劇場活動のメッカとなった「下北沢」でした。 下北沢には親しくねがっている山田珠真子さんがリーダーになっている劇団「東演」がある。 ブログでは「書庫」までこしらえた岡崎京子さんが生まれ育った街が下北沢である。 「発電…

狐者異(こわい)

狐者異と書いて「こわい」と読ませる。 人間の高慢強情のことだという。 生きているうちは法を無視して人のものを取り食らい、死んだ後は 妄念執着の思いを引いて、さまざまな形になって世の妨げをなす、という。 要するに、死んだ人間の妄念執念が形となっ…

『フロム・ヘル』

10月8日の新聞に「みすず書房がコミック」という見出しで 「切り裂きジャック題材『フロム・ヘル』」という記事があった。 「切り裂きジャック」事件のマニアであるわくわく亭としては見逃せない本である。 10月10日発売とあるから、昨日amazonに注文…

散歩

近くのATMまで行く道すがら、秋晴れに誘われて、回り道をする。 農園のフェンスには、まだたくさんの朝顔の花が咲いている。 到る所にキンモクセイの香がする。 3頭も愛犬がいたころに、よく立ち寄っていた小公園。 人気のない公園で、秋の陽を浴びてい…

ぬれ縁

わくわく亭の住まいも、築後30年に近づいています。 あちこちと傷みがみつかって、このところ大工さんに手入れをたのんでいます。 きのう作り替えたばかりの、ぬれ縁です。 マツ材の白木。 塗装屋さんからは、白木のままにするより、長持ちさせるには油を…

祭りの夜店

大泉学園駅からほど近い北野神社の祭礼。 わくわく亭は家族で夜店見物をしてきました。 子供たちにクジを引かせて、景品をあてさせる露天は、いかがわしいものほど 人だかりしています。 こちらは射的。一回500円はかなり高い料金。 打ち落とした景品は5…

近藤聡乃(2)

2008年9月に出版された近藤聡乃さん2冊目の単行本である。 前回にも書いたことであるが、彼女の作品は「作者が見た夢や少女時代の記憶などをもとに 織り上げた幻想的な画像世界といえる作品」なのである。 ストーリーといえるほどのストーリはない。 …

野宿火(のじゅくび)

きつね火にもあらず、 草原火にてもなく、 春は桜がり、秋は紅葉がりせしあとに、 火もえあがり、 人のおほくさわぎうた唱ふ声のするは、野宿の火といふものならん。 なかなかに情緒のある竹原春泉の文章なので、引用した。 田舎道、街道、山の中などどこに…

寝ぶとり

この図を『百物語』ではなくて、浮世絵の一枚だといわれたならば、「女相撲取りの昼寝」 でもあろうかと思っただろう。 「寝肥」(ねぶとり)という女の病気であると絵師は云っている。 たしかに、アメリカなどに、身動きできないほどに体重がふえてしまい、…

二口女(ふたくちおんな)

日本各地に、このような頭の後ろ側にも口があって、二人分の食事をする女の怪異談は 伝えられているようだ。食糧難の時代には、空腹を抱えた嫁が家族に隠れてものを食う、 というのを、口が二つある化け物の話にして言いふらし、嫁いじめに使った場合もあっ…