岡崎京子の部屋

岡崎京子の近況

雑誌「AERA」2月28日号が伝える岡崎京子さんの最近の状況。 彼女の実弟忠氏が語ったもの。 「『はい』や『いいえ』などの簡単な意思は、短い言葉や表情で返してくれるので、 それで判断します。食事をしたり、ラジオを聞いたり、いまはどうすれば彼女…

雑誌「文学界」が岡崎京子大特集

久しぶりに文芸誌「文学界」を買ってきた。 理由は3月号が「大特集 岡崎京子は不滅である」の掲載をしているから。 ついに文藝春秋社の純文学誌が、こんな特集をする時代が来た。 岡崎京子のマンガは文学性が高いし、マンガが代表するサブカルと文芸の垣根…

岡崎京子原画展

「岡崎京子展・戦場のガールズ・ライフ」が世田谷文学館で1月24日から3月31日まで 開催される。300点余りの原画も展示されるらしい。 岡崎ファンのわくわく亭としては見逃すことはできません。

ロック vs 小津安二郎

岡崎京子さんの作品を論じるのに「ロックvs小津安二郎」という面白い表題がついた。 ロックンロールが彼女の主要作のBGMというか、基調音として流れている点については、前回の 記事「岡崎京子のパンクロック」に書いたが、彼女がエッセイの中で、小津安…

いしかわじゅんが見た岡崎京子

ギャグマンガの帝王であり、マンガ評論家として夏目房之介と並んで双璧とされる(わくわく亭の褒め過 ぎもギャグのうちであります)いしかわじゅんのマンガ評論集『漫画の時間』(晶文社)を八重洲古書館 で手に入れた。1995年11月の発行である。 いし…

岡崎京子のパンクロック

岡崎京子さんが「リバーズ・エッジ」から「ヘルタースケルター」へと進化してゆく過程で、 この本に収めた4篇、とくに「私は貴方のオモチャなの」と「3つ数えろ」は意味のある 注目作品だと思う。 セックスとバイオレンスが「リバーズ・エッジ」以後顕著な…

岡崎京子読本

いい雑誌を手に入れた。 河出書房新社が文芸誌「文藝」別冊として2002年3月に初版発行した“岡崎京子読本”とも いうべき特集雑誌の2006年3刷である。 吉本ばななさんをはじめとする文芸界の岡崎ファンが岡崎論を書いたり、インタビューに 応じたり…

VIRGIN

いかにも岡崎京子らしいタイトルをつけた第一作品集である。 20歳でマンガ家デビューした作者が23歳で出版した初めての本である。 わくわく亭が入手したのは白夜書房版(1985)の初版である。1989年には河出書房新社 から新装版が出ているから、…

退屈が大好き

古書店で買った本には、発売当時の「記念品」が挟まっていたりする。 この1987年発行の『退屈が大好き』には、俵万智さんの短歌集『サラダ記念日』の宣伝チラシ が挟んであった。どちらも河出書房新社からの発行だから、読者層が重なると思われたのだろ…

八重洲古書館にて

これだから古書店は、根気よく時々のぞいておかねばならない。 今日の午後、散歩の途中、八重洲地下街の古書店「八重洲古書館」にぶらり立ち寄った。 美術、歴史、考古学、芸能、書道といった専門書を置いている古書店で、案内書にある 写真のような小ぎれい…

岡崎京子作品リスト

「フィールヤング」別冊付録の“岡崎京子デビュー25周年記念読本”から 刊行された全作品リストを、備忘録としてUPしておきます。 リスト中に「小社刊」とあるのは「祥伝社」のことです。

岡崎京子デビュー25周年

あるブログ記事で教えられて、女性マンガ雑誌『フィールヤング』8月号を買いました。 この雑誌は祥伝社から発行されいる月刊誌で、岡崎京子さんの『エンド・オブ・ザ・ワールド』が初めて 掲載された雑誌であるし、『ヘルタースケルター』はこの祥伝社から…

水の中の小さな太陽

最後になったけれど、岡崎京子さんの短編集『エンド・オブ・ザ・ワールド』の中から「水の中の小さな太陽」を取り上げる。 岡崎さんは(93/3~94/4)『リバーズ・エッジ』を描き上げてからも、高校生や若い女性たちの インモラルな生き方と、それがみち…

VAMPS

タイトルの英語の意味を、最初に説明している。 VAMP―ヴァンプ だらしない女、性的に男を挑発する女、男(女)を食いものにする女 VAMPIRE―ヴァンパイア、吸血鬼 立花という青年が祖父が残した古い大きな洋館に住んでいる。 パソコンで小説を書い…

ひまわり

これも15ページしかない短い作品。 『エンド・オブ・ザ・ワールド』のなかで、わくわく亭お気に入りの一作なのです。 小学6年生の純一は、同級の女の子マキちゃんと一緒に、夏休みのプールへ行く途中で 若い女性に名前を呼ばれる。 彼女は19歳で、ハル…

乙女ちゃん

短編集『エンド・オブ・ザ・ワールド』の5篇中、ラストの作品なのだが、順序が前後するけれど、 ここでとりあげる。 これ、とても面白いパロディなのだ。 パロディのネライに気がつかないと、つまらい作品に見えるよ。 たしかに一見したところ、ストーリー…

エンド・オブ・ザ・ワールド

岡崎京子の短編集『エンド・オブ・ザ・ワールド』のタイトルとなった作品である。 アメリカを舞台にした男女の殺人犯の逃避行を描いた作品。アメリカのバイオレンス映画によく見る 粗筋ではあるが、そうした映画の要素を取り込みながら、岡崎スタイルのマン…

『エンド・オブ・ザ・ワールド』(岡崎京子)

岡崎京子さんの作品評がつづいている。 こうなったら、独立した「岡崎京子の部屋」を設けたほうがいいのかな。 昨日読んだのは『エンド・オブ・ザ・ワールド』で5つの短編が入っている。 5篇ともすべて祥伝社が発行する月刊誌「フィールヤング」に発表した…

リバーズ・エッジ(岡崎京子)

「リバーズ・エッジ」が手に入った。 もう“幻の本”の領域に入りかけていたコミックだ。 わくわく亭の仕事場の女の子が、秋葉原の古書店で発見したもの。 105円コーナーにあったそうだ。 「ええっ、よく見つけたね」 ラッキー! 僕は「買い取るから、よろ…

岡崎京子(3)

『PINK』も彼女の初期代表作に数えられていますが、やや月並みなプロットで、 わくわく亭の評価は低いのです。 『River's Edge』は彼女の人気ナンバーワンの作品ときいているが、まだ手にはいらない。 角川書店から新装版として2004年に出た『チワワ…

岡崎京子(2)

『ヘルタースケルター』は美しくなりたい、アイドルと呼ばれたい、という女の子なら誰でもが 抱く夢を実現した「りりこ」が主人公である。 地方から上京してきて風俗嬢になっていた彼女が、その理想的な骨格に目を着けた「ママ」に 見いだされて、大金を投じ…

岡崎京子(1)

作家の才能にもさまざまな特徴があるものです。 作家が若い女性である場合、まだ表現技術には未熟さがあっても、彼女のまわりで未熟な生き方を している同世代の女の子たちの内部に吹く風や、嵐や、雨や陽光を、自分の内部を取り出すと同じように センシティ…