鏑木清方の「築地川」

築地川(8)築地居留地

これは鏑木清方の「明石町」です。ガス灯の下で遊ぶのは外国人の子供たちです。 東京の中にあった異国という画題です。 清方の画集「築地川」を巡る春の散策はこれでいったん終了にしますが、さいごに、明石町の居留地の地図をもう一度UPします。 外人居留…

築地川(7)「築地明石町」

鏑木清方ファンならば、この名作を知らない人はいません。 ファンならずとも、切手で見た記憶がある人も多いことでしょう。 昭和2年制作の絹本彩色です。 抜けるような白い肌、黒の羽織の袖を胸高に合わせて、振り返るおんなの姿態の、日本のおんなでなくて…

築地川(6)「伊達家水門」

これは鏑木清方の画集『築地川』におさめられた「伊達家水門」という絵です。 それにつけられた清方の詞書を引用します。 伊予、宇和島、伊達家の広い屋敷。潮入の池があって、その水門際に小橋が架かる。 緑陰こまやかなところ、夏は行人の、憩いの場所にな…

築地川(5)「鉄砲洲」

「鉄砲洲」です。 鏑木清方の詞書を引用します。 もと、京橋区本湊町、新湊町辺一帯に、昔砲術の演習場があったので、鉄砲洲の名があった。 本湊町と、船松町の堀割に渡した橋の名は小橋。 その対岸は佃島である。 夏の夕刻でしょう。縁台将棋をはじめた親父…

築地川(4)「新富町」

清方の絵「築地橋」を見たときに、橋から近い新富座について書きましたが、彼には昭和5年制作の「新富座」という美人画があります。 雨の中、新富座前を、傘をさして行き過ぎる美人は、もちろん清方が愛してやまない明治期の女です。 髪型こそ違え、白い横…

築地川(3)「築地川春雨」

画題は「築地川春雨」です。昭和25年の作。 橋の名前がついていないから、清方が画いたのは築地川(つきじがわ)のどの橋なのか分からない。 雨で増水した川の流れを、見るともなしに見下ろしている、思いに耽る女の赤い傘。 傘を肩に傾げるほどの、やわら…

築地川(2)「築地橋」

鏑木清方(かぶらき・きよかた)の画名を聞いて、わくわく亭が真っ先に思い起こす作品は、「一葉」(樋口一葉像)と「三遊亭圓朝像」です。そしてかずかずの美人画ですね。 清方に風景、花鳥図がないのではないのですが、殆どは人物画か、風景に人物を配した…

築地川(1)「亀井橋」

(『築地川』より「亀井橋」昭和16年制作) 亀井橋 銀座一、二丁目の間を東に行くとこの橋へでる。現存の位置も変わりないと思うが、 遠く見ゆる合引橋は、三吉橋架設の時になくなって今はない。 亀井橋は、木挽町二丁目から築地二丁目に渡るので、夕涼み…