女優高橋恵子(関根恵子)さんに会いにいけるか?

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 わくわく亭の友人であるノンフィクション作家高宮檀(たかみや だん)さんが、彩流社から出版した
新著『芥川龍之介が愛した女性』は好評のうちに売れ行きも上々ということらしい。
 
 芥川の小説「藪の中」と「或阿呆の一生」に登場してくる女主人公のモデルが秀しげ子と野々口豊という女性達であり、芥川とは愛人関係があったという仮説をたてて、それを新資料を分析しながら、みごとに立証してみせる。その推論の組み立ての妙が、読者の知的好奇心を満足させてくれる好著です。


 
      『芥川龍之介が愛した女性』  彩流社  定価[本体2000円+税]
                     ISBN4-7791-1183-8



 ところで、高宮作品にはおなじ彩流社から出版したノンフィクション『密封された聖地(ぢば)』という力作があるのです。
 本の帯の文章を引くと、《猟奇、複雑怪奇…冤罪事件? ミステリアスな宗教事件の密室の壁に挑む
ドキュメント》とある。

 「まえがき」から抜粋してくると、内容がおおよそ分かる。

 《本書を書くきっかけになったのは、岩手県警察本部編「岩手の重要犯罪・その捜査記録」所載の「一
方井事件」を読んだことであった。そのさい、事件の犯人が逮捕された日付が記載されておらず、逮捕後しばらくして彼が最初に殺した老人の亡霊におびえて自供した旨の記述にひっかかるものを感じた。

 なぜ逮捕日が記されていないのか、連続殺人を犯した屈強な男がやすやすと拘禁ノイローゼにおちいって全面自供などするものであろうか。前者と後者の疑問には関連性があるのだろうか。
 両者に関連性があるとしたなら、一方井事件はだれかが仕掛けた巨大な罠だったのではなかろうか…》

 この「まえがき」からの引用を読んだだけでも、一読したくなりはしませんか。
      
      
      
      『密封された聖地(ぢば) 天理教一方井(いっかたい)事件』 彩流社
                     定価 [本体1900円+税]
                     ISBN4-88202-453-5

 
 ここまでブログを読んで、本の宣伝だけじゃないか、と苦情をおっしゃるみなさん、ここからが
わくわく亭が話したいところなのですよ。

 わくわく亭の小説は、まだ残念ながら、念願の映画化したいというオファーに接していません。

 ところがですよ、高宮さんの『密封された聖地』に映画化の打診があったから、ビッグ・ニュースじゃありませんか。

 彼のもとへ、一本の電話がありました。電話番号は出版社で聞いてきたものでしょう。

 その電話の主は、映画監督の高橋伴明さんでした。

 「本を読んでみたのですが、映画にしても面白いと思って」というではないですか。
 「仲間とすこし相談してみて、30日ほどしたら、またご連絡します」と高橋さんは言って、彼の自宅の電話番号を高宮さんに伝えたそうです。


 高橋伴明(たかはし ばんめい)氏はフリーの映画監督です。監督業のスタートはたくさんのポルノ映画だった。ポルノの大御所と呼ばれていたそうです。
 代表作は1982年、関根恵子主演で撮った「TATTOO[刺青]あり」あたりでしょうか。
 近年では2001年制作で、連合赤軍事件を材にとった「光の雨」があります。

 わくわく亭は高橋監督の映画ファンではありません。

 むしろ、監督の妻となった女優高橋恵子関根恵子)さんのファンだった(頃があった)というべきだろうね。
 なにしろ、1970年の関根恵子さんの衝撃的な映画デビューはいまでも忘れられない。

 1955年生まれの彼女だから、満15歳で、[成熟」「高校生ブルース」「おさな妻」といった映画に出演した。役柄は妊娠する女高生です。大胆なヌードばかりではなくて、透け透けのネグリジェ、
全裸で泳ぐシーンではヘアが映ったの映らないのと、まさに衝撃的な写真を見せてくれたのです。

 私生活では、自殺未遂があり、行方不明騒ぎがあり、結婚と離婚などなどのスキャンダルの山。

 それが、高橋伴明監督で「TATTO」を撮って、実力派の女優として評価を高めるきっかけとなった。
 いらい、彼女は高橋監督夫人であります。

 だから、わくわく亭は高宮さんが、監督とどんな話をしたかなんてことより、恵子夫人と話したかどうか、ということのほうに関心が偏ってしまった。

 監督の電話から30日以上も日がたったから、高宮さんは高橋家に電話をした。

「電話には高橋恵子さんが出ました」と高宮さんは僕に語る。
「そう。どんなこと話したの」
「監督から彼女はわたしの本のことをきいているそうで、すぐわたしが何者か分かってくれました」
「そう。どんなかんじの女性だった」
「すごく落ち着いた話し方をする女性でしたよ」
 
 僕はTVで彼女が製薬会社のCFにでていた顔を思い出していた。いや、いまも魅力的だよ。年齢は
1955を引くと、そのとおり、50代でおわすのに、ナイスです。

「なんど電話したの」
「2回です。2回とも高橋さんは留守で、恵子さんに用件の言伝をたのんでおいたのですが」
「いっそ、住まいまで訪ねて行ったらどうだね。関根恵子さんに会いにさ」
「いや、そこまではどうも」
「行くのなら、僕も一緒に行ってもいいよ」

 その後、高宮さんから「高橋恵子さんの家にいきましょう」というお誘いがこないけれど、どうなったのだろうか。