2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『百日紅』(5)北斎とお栄の家

どんどん寄り道をしてしまいました。 ここで初めにもどって、亀沢町とおもわれる北斎父娘の借家の光景にもどります。 1枚目が「番町の生首」から。文化11年、北斎が55歳、お栄が23歳です。 2枚目のイラストは飯島虚心の『北斎伝』からUPしたもので…

タージマハールでドルは使えない

タージマハールはインドが誇る世界遺産です。世界中から観光客が訪れて、拝観料を支払って入館します。料金は250ルピー。日本円でおよそ680円。 これまで観光客は、USドルであれば、5ドル支払えば入場できた。ところが、今後はUSドルでの 支払い…

『百日紅』(4)

北斎の三女、お栄ちゃんが「葛飾応為」(おうい)の署名をいれて描いた絵の数は多くないのです。 その画名だって、由来を聞くと、ふざけたような戯名のごとし、です。 北斎がお栄と呼ばず、いつも「アゴ」と呼ぶか、「オーイ」と(まるで、オーイお茶、のT…

『百日紅』(3)

すこし逆戻りします。 『百日紅』(2)でこんなことを書きました。 お話の其の1から其の4までの口絵はお栄の枕絵の模写だと思われるのに、杉浦さんは元の絵の作者名も絵の題名も書いていないと。なぜだろうかと。 その理由が分かった気がしています。 わ…

純金サンタ

純金のサンタクロースがお目見えしました。 銀座の貴金属店がクリスマスシーズンの縁起物としてこしらえたもの。 もちろん、売り物です。 約20KGの純金を使用して、熟練の貴金属加工技術で仕上げたサンタさん。 プレゼントをいれた袋は、太さ90ミクロ…

カリン

ご近所の庭のカリンが黄色に色づいているのを、デジカメで撮影。 カリンはとても固い果実で、甘くもないし、そのままでは食用には適さない。 果実酒にしたり、ハチミツづけにしたりと、加工して食べると、さまざまな薬効が期待できる らしい。 わが家にも、…

片岡球子(4)「北斎の娘おゑい」

片岡球子(たまこ)さんの『面構 北斎の娘おゑい』(昭和57年)はすでに、この書庫でおなじみの「面構」(つらがまえ)シリーズの一枚です。 わくわく亭は、別の書庫「杉浦日向子の部屋」において、丁度いま『百日紅』をとりあげ、杉浦日向子さんによる葛…

ハハジマメグロ

どなたかから貰ったポスト・カード。 整理していて、そのふしぎな顔に魅せられて写真をUP。 まるで、人間の女性の顔をしている。 小笠原諸島の母島に生息する固有種で、スズメ目、メジロ科に分類される鳥で、 ハハジマメグロという。 メジロ(目白)に対し…

『百日紅』(2)

『百日紅』其の1「番町の生首」 開巻最初の口絵が、いきなり「枕絵」(春画。男女閨中の秘戯を描いた絵←広辞苑)で、ことば書きが「おまへほど、かァいゝ男ヲもふ五六人ほしい、そうしてよるひるつゞけてさせていたい」とあるから、このマンガ18歳未満(…

芙美子図

第12回「絵のまち尾道四季展」で銀賞を受賞した『芙美子図』です。 茨城県の磯山秀夫さんの作品。 安井審査員の寸評。 「桜の花散る遅い春、寺の石段に腰をおろし瞑想にふける若き日の林芙美子。 寄り添うように寝そべる一匹の猫。 細密描写で装飾的によく…

三つ星

昨日の話題をさらったのは「ミシュラン・ガイド」が発売になって、売り切れる店舗が続出したという ニュースでした。 グルメの国日本かなと見ていくと、最高評価となる「三つ星」を取得したという都内8店舗のうちに、人形町の日本料理店「濱田屋」というの…

『百日紅』(1)

『百日紅』(さるすべり)は1983年11月~88年3月までの4年4ヶ月にわたり雑誌「漫画サンデー」(実業の日本社)に連載された連作長編で、『百物語』と並ぶ長編の代表作といえます。 彼女の創作年齢では25~30歳の期間であり、まさに創作意欲が…

片岡球子(3)

これは「面構」シリーズがはじまるおよそ5年前(1961)に発表された『幻想』である。 宮内庁で見た舞楽「太平楽」に触発されて描いたものである。 爆発する色彩の交響楽が演じられている。すでに、日本画の定型から脱して、片岡球子の新世界が目前 に開…

晩秋のギャラリーから

わくわく亭の仕事場がある東京の京橋地区にはたくさんの美術品ギャラリーがあって、 どこも秋の展示会がたけなわである。 今日、急ぎ足で通りすがりに、創作人形の展示会があったので、バッグから デジカメをとりだして、さっと撮影。 ピエロのような衣装を…

水戸忠

茶道具を得意としている骨董商である。 この京橋骨董通りの店のほかに、ホテル・ニューオータニ1階ロビーには 「水戸忠小さな美術館」という名前の店舗をもっている。 水戸忠が取り扱う陶工として、次のような名匠の名前があげられている。 河井寛次郎 北大…

明治、大正の写真

明治、大正時代の尾道の写真をUPしよう。 3枚ある。 1枚目は明治30年頃のもの。写真に付された説明がある。 「潮に乗って静かに暮れゆく尾道港に入港する帆前船は、まるで一幅の名画を見るようであったと 古老は話してくれた…」 2枚目は大正末の尾道…

「超音波蚊よけ器」回収します

公正取引委員会は20日、「超音波で蚊を寄せ付けない」と表示して携帯型電気式蚊よけ器を 販売していたO電機(東京)にたいして、実際には効果が全くなく、景品表示法違反にあたる として、排除命令を出した。 これは朝日新聞朝刊記事の一部です。 商品の…

レコード店で買えないCD

「ベスト・セレクション 山口百恵」 ソニー・ミュージックダイレクトが7月に発売した音楽CDが、好調な売れ行きだそうである。 VOL.1とVOL.2とで各16曲を収録して2枚そろえれば、百恵ちゃんのシングルA面曲の すべてがそろうということだ。〈…

「木枯らしの頃」

第11回「絵のまち尾道四季展」で銀賞を受賞した、三原市の三次ハヤ子さんの油絵 「木枯らしの頃」です。 「写真のまち尾道四季展」の受賞作品を、これまで2点紹介しましたが、写真の公募展はまだ 回数が浅い。隔年開催で、2007年度でまだ3回目です。…

指を鳴らす

ラジオの番組で、リスナーから募集していた「わたしの得意技」を、 アナウンサーが披露していた。 ちゃんと聞いていたわけではないけれど、面白い得意技がたくさんあった。 たとえば、こんな「わたしの得意技」がある。 1.舌先の豆を鼻孔に詰める。 「わた…

歯は食べないで

今朝の、なんてことのない、わくわく亭の夫婦の会話。 妻は朝食のフルーツメニューに、富有柿を切っている。 「まあ、タネなしだというのに、タネがあるわ。お店にもっていって文句言ってやろうかしら」 ブツブツ… わくわく亭の主人、一切れ柿をつまみ食いす…

オリエント考古洞(Ⅱ)

オリエント考古洞のウインドにある展示品が替わった。 (いまから、インフルエンザの予防注射に行くので、書きかけにします……。 インフルエンザの予防注射を受けて、その足で日野市の女房の実家へ行ったものだから、 書きかけ状態が丸一日になってしまった。…

「西國寺の大ワラジ」

第二回「写真のまち尾道四季展」で銅賞を受賞した広島市の真田正之さんの作品です。 西國寺の仁王さんに履いて貰うために奉納されたワラジだから、大きい大きい。 小さいワラジも格子にたくさんかかっている。健脚を願ったり、病気回復を祈願したりして 奉納…

「路地」

第一回「写真のまち尾道四季展」で大賞を受賞した作品「路地」です。 作者は岡山県笠岡市の伊藤稔さん。 黒い動物は犬だということだ。敷石の模様がうつくしい。 この黒犬をいれたところが、ポイントだろう。彼のおかげで写真に動きが生じた。 尾道らしさを…

鬼クルミ

わくわく亭は殻付きの鬼クルミの写真を撮った。 この量で1袋、500円。 鬼クルミが市場に出てくる季節だって。 わくわく亭の仕事場の女の子が、青森の出身で、京橋にある青森物産品のアンテナ・ショップで 買ってきた物。彼女は2袋買ったそうだ。 食べ方…

唐三彩の婦人立像

繭山龍泉堂は創業明治38年のしにせ骨董店です。 中国、韓国(朝鮮)、日本の観賞用陶磁器を専門的に取り扱っている。 このところウインドウに展示されているのが、唐三彩の婦人像である。 やや上方を見上げながら、なにかを訴えかけているような姿である。…

解禁日

「ボージョレ・ヌーボー本日解禁」 今年は11月15日が解禁日と決められているのだそうです。 ワインを販売する店舗という店舗が、一斉に販売を開始したと言うことか。 コンビニまでが店頭にテーブルを持ち出してボージョレ・ヌーボーを、 「お土産に、ど…

色づきそめた庭のマンリョウ

わくわく亭の庭の万両。実は上のほうは赤く色づき初めている。 下の方の実は、まだ青い。 花の本によると、赤くなるのは12月だとしてある。 すっかり赤くなってから写真を撮ってもいいのだろうが、わくわく亭の女房いわく、 「赤くなったころには、一日で…

片岡球子の面構え(2)

「面構 東洲斎写楽」(1971) 片岡球子さんは明治38年(1905)札幌の生まれ。したがって、これは彼女の 66歳のときの作品です。 文化勲章の受章が平成元年(1989)。 今年は102歳で、いまなお制作中だというから、普通人のほとんど2倍の…

片岡球子の面構え(1)

ここはわくわく亭ブログの『驚異の美術館』です。 現代日本画壇において、この片岡球子(たまこ)さんの画業ほどの「驚異」は見当たりません。 なかでも「面構」(つらがまえ)という人物画のシリーズは見る者に、熱い魂をもって、まるで 歌舞伎の「見得を切…