2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「尾道物語・幻想篇」のカバー候補

9月発行の『尾道物語・幻想篇』の表紙カバーの見本が届いて、どれがいいか迷っています。 装幀家は「サンカンペンの壺」とおなじ、京都の上野かおるさんです。 収録作品は「奥の池のギンヤンマ」ほか5篇で、いずれも尾道が舞台。 「奥の池のギンヤンマ」に…

小津が撰した「山中貞雄之碑」の追悼文

映画監督山中貞雄は1938(昭和13)年、中国の野戦病院で病没。 28歳10ヶ月という若さだった。 この写真はその1938年に戦地で撮影されたと思われる。 彼の死後3年経った1941(昭和16)年、彼を慕う映画人たちの手によって、菩提寺である…

北京の空は青かった

「北京オリンピックが終わりましたね、わくわく亭のご隠居!」 「テロだとか、空気の汚染だとかが心配されたが、どうにか無事に終わって、よかったな」 「なんでも、ロケットだかミサイルだかを雲に打ち込んで、人工的に雨を降らせて、北京の空気を きれいに…

川喜多夫妻と甘粕正彦

若い川喜多長政・かしこ夫妻 因縁、奇縁という言葉があるが、歴史を振り返ってみるときに、人間たちのふしぎな邂逅、遭遇の場面と いうものがある。 川喜多かしこと彼女の夫川喜多長政とが、若き原節子をともなって、日独合作映画『新しき土』の公開プ ロモ…

フランス文学界にジャポニスム

ジャポニスムとは19世紀後半に、浮世絵などの日本趣味がフランスに輸入されて、 印象派の絵画に大きな影響を及ぼした現象をいいますが、これは現代フランス小説界に起きている ネオ・ジャポニスムのお話である。 以下の記事は8月25日の「日経新聞」から…

山中貞雄と原節子

川喜多夫妻の東和商事映画部(のちの東和映画)について書くつもりが、横道にそれてしまった。 前回16歳のニューフェース原節子を使って『河内山宗俊』を撮った山中貞雄監督のことに触れた。 戦前の日本映画ファンであれば天才と呼ばれた山中貞雄が戦地の…

日独合作映画『新しき土』の原節子

『新しき土』は1936年に制作され、翌37年に日本とドイツにおいて、ほぼ同時公開された。 この映画について興味があったのは、作品の内容や、出来映えからではない。 (1)若く美しい原節子が主演しているからであり、 (2)ヒトラーのナチス政権下に…

川喜多かしこと17歳の原節子

「川喜多かしこ展」では興味深い写真やポスターをたくさん見ることができた。 その中に、とくに印象深かった2枚の写真がある。 それをUPしながら、その写真が物語る歴史の断面をすこし語ってみたい。 一枚目は、“『新しき土』の撮影でドイツを訪れた原節…

川喜多かしこ生誕100年展

昨日京橋にある、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の“生誕100年 川喜多かしこ展” を見てきました。 わくわく亭の仕事場から徒歩で2分の、ご近所にある映画の国立美術館です。 そもそもこの展示をしているフィルムセンターそのものも川喜多か…

アヘン王里見甫(さとみはじめ)

日曜日に一時間あまりかけて佐野眞一さんのノンフィクション大作『甘粕正彦 乱心の曠野』について 書いたところが、投稿寸前で、パソコンが原因不明のブラックアウトになってしまい、折角の 原稿が消失してしまった。 おなじ文章を思いだして書くなんて、と…

福岡正信さんの訃報

8月16日に福岡正信さんが亡くなられた。95歳で老衰と報じられた。 福岡さんは現代日本の偉人の一人だと、かねてからわくわく亭が尊敬していた自然農法の提唱者だった。 氏の『自然に還る』『無』という著書を読んで心酔した。 NHKの教育番組や「心の…

8月15日

甲子園での熱戦の途中、終戦記念日として戦没者への黙祷が捧げられた。 わくわく亭はヨーガのアーサナをやりながらテレビで高校野球、大阪桐蔭対報徳学園の試合を見ていたが、アーサナを中断して黙祷した。 戦死者230万人、空襲によって死亡した民間人8…

月亭可朝師匠が逮捕されたんやでぇ~

月亭可朝がストーカー容疑で逮捕されたんやでぇ~♪ うそやないんやでぇ~♪ 東京の人には月亭可朝と聞いても、あまり馴染みがないかもしれない。むしろ弟子の月亭八方の名前の 方が知られているかも。 わくわく亭は尾道出身であり、関西で4年間学生生活を送…

太明成化年製

古書店で買った志賀直哉の文庫本で、何十年ぶりかで『万暦赤絵』を読んだのだが、 それでこの、わが家の「赤絵」をUPすることを思いついたというわけ。 「万暦赤絵」とは中国明代の万暦年間に景徳鎮の官窯で焼かれた磁器のうち、華麗な赤い絵を 施したもの…

砂のプレゼント

高さ3センチほどの小瓶の中味は、砂である。 海辺の砂を、こうして大切に、瓶にいれてプレゼントしてくださったのは、わくわく亭と同郷で、 高校文芸部で一年先輩だったYさんである。 7月に銀座東武ホテルで催された高校の同窓会で、1年ぶりに彼女に会っ…

女房が撮ってきた「ねぶた」の写真

わくわく亭の女房は8月2日と3日で、生まれてはじめて青森ねぶた祭りをみてきました。 (そういうわくわく亭はねぶたを見たことはまだないのです) 彼女のともだちの「チーちゃん」と2人で、一泊二日の旅でした。 豪雨の予報がありましたが、小雨の中、な…

徳永英明が知ったという歌の力

朝日新聞土曜特集版に、渡部薫さんという記者が徳永英明について3週連続で記事を書いた。 今日のが3回目、つまり最終回。 2001年5月の新潟市でのコンサートの途中で徳永英明は発病した。 ツアーは中止となり、1年8ヶ月の休養を強いられた。 病気の…

モミジアオイ

今朝、今年最初の「紅い花」が咲きました。 数年前、庭のすみに、突然茎がのびて葉がしげり、大きな花が次々咲き始めたので、 びっくりしました。 友人から花の名前を教わって、モミジアオイと知りました。 そのいきさつは、去年の8月8日の記事でごらんく…