尾道の一番踏切

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 この写真は、福山市に住む大西ながこさんから送られてきた、ハガキ仕立ての尾道の風景写真の一枚です。

 大西さんは、僕わくわく亭の高校の一年先輩です。写真はいずれも、彼女の知人である中元紀子さんの作品です。
 
 さて、この写真は在来線尾道駅から近い踏切のてまえから、千光寺山を撮ったものです。山上に尾道城が写っています。
 
 正面の白い洋館は〈孔雀荘〉という尾道では古い喫茶店です。市内に住む若い画家たちのつどう店で、作品の展示のギャラリーにもなっていました。
 
 店内で、こうした写真や絵はがきを展示したり、即売したりしています。

 写真の孔雀荘に向かって左に、路地があって、中にはいると井戸があります。

 井戸を囲むようにして三軒の家がありました。それぞれの家に住む家族の生活を、3つの連作短編小説に書いたのが、『尾道の一番踏切』で、「夏の姉」「井戸端の日々」「ベッチャー祭りのあとで」がそれです。

 僕はその一軒の家に、高校を卒業するまで暮らしていました。もちろん写真には写っていません。

 そのころ、山上にはお城ありませんでした。市の観光行政のために建てられもので、こうして見ると、
アニメ「ハウルの動く城」のグロテスクなお城のようにもみえて、この風景には不似合いに思います。

 ですが、僕にとって、なんと懐かしい風景でしょうか。大西さん、ありがとう。