カラスの攻撃

 27日の日曜日、僕は2時間ほどのウォーキングに出かけました。

 サクラの木の下を歩くと、真っ赤に熟した丸い実が落ちているのに気がつきます。見上げると、あの枝にもこの枝にも、たくさんの実がなっています。

 僕は手のとどく下枝の先端をつかまえて、10個ばかり実をとりました。熟しているので、ちょっと指先で押してやると皮が破れて、インクのような色をしたジュースが流れ出ます。
 一つ口に入れて、タネをぷいと吐き出します。甘酸っぱい、素朴な味がします。

 そのサクラの木はヤマザクラです。そうか、食べられる大きさの実がなるサクラは、ヤマザクラなのか。

 実のなっているサクラの木をさがしながら歩いていきますと、突然僕の頭をかすめて飛んだ鳥がいました。
 あぶなく顔にぶつかるところでした。

 カラスです。二羽のカラスがやかましく、威嚇するように鳴きながら、交互に僕の頭近くを飛ぶのです。これは、おぶないぞ。

 かぶっている帽子を頭の上で振り回しながら、そのサクラとケヤキのある道を急ぎますと、道ばたに
カラスのヒナがうずくまっていました。
 まだ飛ぶことの出来ないヒナで、おそらく並木の上にある巣から落ちてきたものでしょう。
 
 親鳥がヒナを護るために、僕を攻撃したのです。

 僕の後から歩いてきた人は、ステッキをふりまわして、カラスを追い払っています。

 ああやっていても、巣から落ちたヒナは犬か、猫にもっていかれる運命でしょう。

 いま、どこでもカラスは巣に卵をかかえているか、ヒナがかえったりする季節です。



 サクラの実をとって食べている、そこのあなた、カラスの攻撃にお気をつけください。