マンガ家かわぐち かいじさんに遇いました

 書庫「尾道少年ものがたり」に浦沢直樹さんの「20世紀少年」について書きました。近年、僕は
手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した作品は、長編、短編ともにのがさず読むことにしています。
 
 井上雄彦(いのうえ たけひこ)さんの「バガボンド」はもちろん熟読、味読しています。
 井上さんが古武術研究家の甲野善紀さんの道場をおとずれて、甲野さんの抜刀術、体術を実見し、古武術について対談した本を読みましたが、井上さんの研究熱心なこと。
 ただ想像力が旺盛なだけでは、あの「バガボンド」の超リアルな剣戟シーンは描けないでしょう。

 甲野さんは「バカの壁」で有名な養老孟司さんと対談して「古武術の発見」という本を出しています。武術における身体感覚について論じられて、とても面白いものです。光文社の知恵の森文庫にあります。
 
 いま、マンガ界のリーダーといえば、大友克洋井上雄彦浦沢直樹、そして、かわぐちかいじということになるでしょう。かわぐちさんは「沈黙の艦隊」「ジパング」「太陽の黙示録」などで人気です。
 
 かわぐちさんは、僕わくわく亭とおなじ広島県尾道市の出身です。

 東京に住んでいる尾道出身者の会が毎年催されて、僕も参加したところ、かわぐちかいじさんと面談できたというわけです。

 ものごしの柔らかな、おだやかに語る魅力的な人柄です。
 くちひげをたくわえていて、そうですね、ちょっと宇崎竜童に似た感じ。

 僕はもちろん「尾道物語 純情編」を進呈しました。
「読ませていただきます」との返事は儀礼的なものであっても、うれしいもの。
 名刺交換もしました。小金井のアトリエの住所でした。

 弟さんは尾道で家業を継いで、かたわらマンガも描いておいでになる。
 
 僕の本をマンガにしたいという奇跡的な申し出はまだ、かわぐち兄弟からやってこない。
(あたりまえのことか)