文学仲間

「姫路文学」126号

「姫路文学」126号が発行された。 わくわく亭は「キヨノの話」という短いものを書いている。 編集後記で主宰者の井上さんが、作品紹介をしてくれている。 今号掲載の「キヨノの話」も巧妙な作風で楽しませてくれる。 主人公の私は少年期、疎開により母親…

長編「秦淮遊廓細見」完結する

雑誌『別冊関学文芸』の43号から45号まで3回連載した「秦淮遊廓細見」が完結しました。 3回を合計するとおよそ150ページで、原稿用紙にすると約420枚ほどになります。 1年半くらいかけて書いたもの。 書き終えて振り返ってみれば、冗長な部分も…

雑誌「ゲミュート」

写真は「ゲミュート」というわくわく亭が高校時代に入部していた文芸部の機関誌。 それぞれ50ページほどの雑誌である。よくも失うことなく手許に保存していたもの。 つい先日、当時の文芸部の顧問だった恩師K先生から手紙が届いた。 先生は十年ほど以前に…

雑誌「酩酊船」例会

5月26日「酩酊船」27集の合評会が兵庫県たつの市の「赤とんぼ荘」であった。 尾道から姫路を経由して姫新線本竜野で下車、そこからタクシーで城下町の細いくねくね道を 抜けて、小高い山上にある国民宿舎にたどりつく。 同人や仲間のほかに予期せぬお客…

「澪標」にエールを送る。

「澪標」は「みおつくし」と読む。 大阪の文芸出版社で、わくわく亭の小説をこれまで10冊出版してくれた会社である。 社長の松村氏は、わくわく亭の大学の後輩。 彼自身が2冊の詩集もある詩人であるが、詩の雑誌を発行する彼の情熱には頭がさがる。 発行…

高宮檀さん追悼の会

5月12日、昨年3月12日に急逝したノンフィクション作家高宮檀氏の追悼の会があった。 死後一年経過したわけだが、会には大勢の友人たちが集まって、故人を偲び、スピーチや 歌や、曲の演奏などがあった。 一年が過ぎても、これほどの人々が参集するとは…

「秦淮遊廓細見ー旧院の妓」

「別冊関学文芸」第43号が発行。 わくわく亭は「秦淮遊廓細見ー旧院の妓」という長編小説の連載をはじめています。 中国明代の終末から清代のはじめにかけての時代。 南京の秦淮河のほとりに栄えていた遊廓を舞台にした才子佳人たちの激変する運命の物語。…

『荷風と歩く・東京いまむかし』

前之園明良さんが実業之日本社から『荷風と歩く 東京いまむかし』という本を出した。 前之園さんは同人誌『酩酊船』でわくわく亭の先輩である。 前之園さんには、このブログでも紹介したが『吾妻橋のほとりー永井荷風私記』(有楽出版社)という 長編のエッ…

見納めの高宮檀邸

友人で、ノンフィクション作家だった故高宮檀さんの邸宅が国庫帰属になった。 彼は独身のまま、両親から受け継いだ立派な邸宅で、数匹の猫と暮らしていたが、 3月12日に心筋梗塞のために路上で倒れ、翌日未明に死亡した。 相続権者がいないために、家屋敷…

姫路の喫茶店「みんと」

10月9日、姫路文学館で「姫路文学」124号の合評会があった。 文学館では「千姫・千年愛」の展示が開催中。 会のあとで、懇親会に行く途中で、石山さんと竹中さんにつれられて、喫茶「みんと」 に立ち寄った。「みんと」は三年ほど前に開店したらしいが…

清瀬

月曜日。 西武池袋線の清瀬駅で、正午に友人たちと待ち合わせする。 清瀬に住むイワシナさんと、小金井に住むタキザワさんと3人でジョナサンでランチ。 高宮檀さんの「偲ぶ会」以来の顔合わせ。 ランチが終わり、どこかでお茶を飲みながら「姫路文学」12…

届いた花の画

兵庫県たつの市在のパステル画家吉田純一さんから、額に入ったかわいらしい花の画が届いた。 わくわく亭は7月8日のブログで《吉田純一さんのパステル画、ほろ酔ひ百花展》という記事を書いた。 すると8月になって個展会場のギャラリー「風の道 雨の匂 石…

「別荘橋のできごと」評

大阪文学学校が発行している雑誌『樹林』2011夏号が送られてきた。 わくわく亭の小説「別荘橋のできごと」評が掲載されているからと、送ってくれたのだ。 評者は佐々木国広さんである。 72歳の作田は今年になって二度記憶を喪う体験をした。一度目は友…

「姫路文学」124号

『姫路文学』124号が発行になった。 わくわく亭は小説「富士見橋の理髪店」と追悼文「津波の後ー高宮檀さんを悼む」を 発表している。 この号は7人の同人による高宮さんへの追悼文が掲載されている。 あれから早くも5ヶ月が過ぎようとしている。 合評会…

吉田純一さんのパステル画

パステル画家吉田純一さんの作品展の案内をもらった。 吉田さんとは昨年7月の龍野での「酩酊船」合評会ではじめてお会いした。 大学の後輩で、小説も書いていた人だが、いまは不動産業のかたわらパステル画家として 活躍している。 龍野では吉田さんの自宅…

Misty

今度の土曜日には大阪へ行って、「別冊関学文芸」42号の合評会へ参加します。 わくわく亭は「霧の中」という小説を寄稿しています。 ジャズのスタンダード曲「Misty」をモチーフにしており、アメリカが舞台なので、 わくわく亭の小説としてはちょっとスタ…

『尾道渡船場かいわい』が大学紀要に

わくわく亭の著書に『尾道渡船場かいわい』という小説集があります。 表題作は2000年7月に第7回神戸ナビール文学賞を受賞した作で、他に五篇の中短篇が収められ て、どれも尾道を舞台にした作品です。(株)澪標から2000年11月に発行されました…

「別荘橋のできごと」図書新聞評

6月4日号の図書新聞で、「別荘橋のできごと」が取り上げられている。 評者は志村有弘氏で、短いから全文転載させていただく。 森岡久元の短編小説「別荘橋のできごと」(酩酊船第26号)が幻想と現実のはざまを 往還する奇妙な作品。 主人公の作田は七十…

「別荘橋のできごと」新聞評

『酩酊船』26集に寄稿した小説「別荘橋のできごと」が5月28日の神戸新聞の 同人誌評で取り上げられている。評者は作家の竹内和夫氏である。 『酩酊船』26集森岡久元「別荘橋のできごと」の(主人公)作田は72歳、ときどき昏倒して 一時的な記憶喪失…

故高宮檀さんを偲ぶ会

5月18日に故人となった高宮檀さんを偲ぶ会が、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から近い 桜ヶ丘4丁目の会場で催された。 彼が関係していた「姫路文学」「思想の科学」「昭和史研究会・桜ヶ丘」などや 地域の友人達50名余りが集まって、故人について2時間あまり語り…

高宮檀の仕事

高宮檀さんの仕事を、わくわく亭が知っている範囲でまとめておきたい。 出版された単行本リスト 1。『燃えよ、ブタ拳ーはみだしものだからすごい』 平成7年8月 発行:熊谷印刷出版部(岩手県盛岡市) 2.『激突、ブタ拳ー女は捨てても男はすてられない』 …

高宮檀さんを偲ぶ会

故高宮檀さんを偲ぶ会が催されます。 私の記事をご覧になって、なにか情報があれば欲しいとコメントをくださる方があります。 そうした方のために、おしらせをします。 高宮檀さんを偲ぶ会 日時:平成23年5月18日(水) 開場 11:30 開始 12:00…

「酩酊船」26集

「酩酊船」26集が4月20日に発行。 わくわく亭は「別荘橋のできごと」という短編小説を書いている。 どこかで倒れて頭に怪我を負いながら、深夜タクシーで帰宅して、どこでなにが起きたのか 一切の記憶がないという体験をもとに、ちょっとあぶなげな高齢…

『別冊関学文芸』41号

『別冊関学文芸』41号は編集人、発行人を入れ替えて、2010年11月に発行された。 僕の本の出版を手がけてくれている(株)澪標の松村信人さんが新しい発行人になって、 これまでにない新機軸が期待されるところ。 わくわく亭は「にらむ女」という小説を…

津波の後―高宮檀さんを悼む

『姫路文学』から寄稿を求められて、今日はこの文を書いた。(2000字) 5月10日締め切りの124号に、小説「富士見橋の理髪店」とともに発表する。 津波の後―高宮檀さんを悼む 平成二十三年三月十一日に東日本大震災が起きた。日本史を千年遡ってみ…

三宮じゅんく堂

11月21日(日曜日)竹内和夫さんの出版記念会が神戸ラッセ・ホールで盛大に催された。 出版された本が『酩酊船 冬の海図』であるから、雑誌「酩酊船」の数少ない同人の 一人であるわくわく亭もまた、竹内さんの七光りで、まるで主賓の扱いをうけた。 二…

スピーチの原案

作家竹内和夫さんの著書『酩酊船 冬の海図』出版記念会が 11月21日に神戸で催される。 わくわく亭も出席するつもりでいるが、竹内さんから、短いスピーチをするように いわれている。 なにを話すべきかと、『冬の海図』のページをめくる。 竹内さんは関…

望景亭

写真は姫路文学館の庭内にある茶室「望景亭」である。 17日の日曜日、早朝家を出て、8時50分発の新幹線のぞみで姫路へ行く。 午後1時から姫路文学館館内での「姫路文学」123号の合評会に出席した。 夜は駅のそばのホテルに一泊し、翌朝は友人と3時…

弓場敏嗣氏の書評

弓場敏嗣(ゆばとしつぐ・電気通信大学名誉教授)さんから『十八歳の旅日記』の読後感想を いただいた。ここに転載させてもらいます。 著者は<あとがき>で、「わたしは十七、八歳の少年たちが、彼らを取り囲 み、押しつぶそうとする閉塞感を破るためにふる…

ジョルジュ・デュアメルの言葉

大江健三郎さんが今朝の朝日新聞コラムでフランスの作家ジョルジュ・デュアメル (1884~1966)の言葉を紹介している。 氏の東大時代の恩師であった渡辺一夫さんとのエピソードとともに、師の翻訳したデュアメルの 『文学の宿命』からの文章を引用し…