三宮じゅんく堂
出版された本が『酩酊船 冬の海図』であるから、雑誌「酩酊船」の数少ない同人の
一人であるわくわく亭もまた、竹内さんの七光りで、まるで主賓の扱いをうけた。
二次会にわれわれ7~8人が、三宮のバーに繰り込むと、そこにはすでに、さきほどまで
一緒であった作家たちが10人ほど先着しており、20人近い作家たちの楽しい
カラオケ入りの酒宴となった。
さっそく、本日の世話人である「黄色い潜水艦」編集者の島田さんが、景気づけに一曲歌い、
ついでわくわく亭がご指名にあずかったから、森進一の「ひとり酒場で」から
スタートした。
女流作家の島京子さんは、わくわく亭の歌声がいたくお気に召したようで、ごほうびに
頬にキスをくださった。
大層な盛り上がりで、竹内さんの出版祝いは大成功だった。
竹内さん、前之園さんとわくわく亭はラッセホールに部屋をとってあった。
一度チェックインのために戻り、寝るにはまだ早すぎるので、三人で再びタクシーで
三宮のカラオケにくりだした。
竹内さんも前之園さんも次々と持ち歌をくりだして、大競演となった。
とにかく、楽しい一日だった。
翌日はラッセホール一階で、三人で朝食をとって、そのまま別れた。
わくわく亭は神戸空港から沖縄へ飛ぶ予定。
まだ時間の余裕があったから、三宮センター街を歩いた。
じゅんく堂三宮店で、ひょっとしてわくわく亭の新刊が出ているのでは、と二階の
文芸書コーナーにエスカレーターで上がった。
著者名順に見ていくと、「森茉莉」のとなりにあった。
それを見て、一安心。一階のコーヒーショップでカフェラテとカップケーキを注文して
神戸新聞を読む。
それからタクシーで神戸空港へ。
2時のANAで、沖縄へ発つ。
沖縄に住む次男のところに赤ん坊が生まれたので、そのお祝いに行くのである。
それが、女の子。
しかも、双子の女の子なのである。