ときには本の話もね

小豆豆

『小豆豆』は黒柳徹子さんの本『窓ぎわのトットちゃん』の中国版のタイトルです。 黒柳さんが通った「トモエ学園」の自由な教育環境について書いた「トットちゃん」は 国内で累計800万部が売れたそうです。 『小豆豆』と題して中国で売られた翻訳本はベス…

資本主義の終末

水野和夫さんの本が出ると迷うことなく買って読んでいる。 『世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換』(太田出版) 『資本主義という謎ー「成長なき時代」をどう生きるか』(NHK出版新書) 『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社…

時代劇は滅びるのか?

春日太一著『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮新書)は示唆に富む面白い本だった。 もう何年も以前から日本映画やテレビを見て、「どうなったのだ、時代劇は」と多くの時代劇 ファンは感じていたことと思う。製作本数が激減していたのは、制作コストが掛かる…

青春期の三浦哲郎

竹岡準之助さんから新刊の著書を頂く。 竹岡さんはたわむれに芥川作家三浦哲郎の「公式記録員」と自称しているが、それほどまでに 三浦哲郎の大学時代から晩年まで親しく接して、三浦の作家としての成長・円熟を近くから見守って 来た人である。氏は社主とし…

「図書新聞」評

図書新聞(2014年06月21日) 評者◆志村有弘 忘れ得ぬ戦争の悲惨さが散文に韻文に ■戦争の悲惨さ・残酷さ、震災・原発の恐怖・苦悩を綴る作品が目立つ。 森岡久元の「昼下がりのダンスホール」(別冊關學文藝第48号)は、右記関谷の題を借りれば〈尾道 有情…

奇跡の川

親しくしている出版社の澪標から『奇跡の川 天の川プロジェクト』という本を貰った。 発行日を見ると2014年7月7日、先週の七夕の日になっている。 「奇跡の川 天の川プロジェクト」のタイトルに合わせて発行日も決められたらしい。 ではそのプロジェク…

「昼下がりのダンスホール」

『別冊関学文芸』48号に発表した小説「昼下がりのダンスホール」が6月28日の神戸新聞 同人誌評で取り上げられ高い評価をもらった。ほとんど激賞にちかい。○川賞の選考委員の目に 届かないものだろうか。(笑)

「つけぶみ」

わくわく亭の短編小説「つけぶみ」が4月28日発行の文芸誌『季刊文科』62号に掲載されました。 この短編は同人誌『姫路文学』127号(平成25年12月発行)に発表したものですが、そこから 転載されたもの。 『季刊文科』(鳥影社)は一般の書店でも…

「昼下がりのダンスホール」

雑誌「別冊関学文芸」48号が発行。 わくわく亭は「昼下がりのダンスホール」という小説を書いています。 まるでアメリカ映画のタイトルのようですが、まんざらアメリカと無関係でもありません。 わくわく亭が郷里尾道で幼稚園に通っていた当時、それは戦争…

「いろをとこ」里見弴

「文藝春秋」2月特大号の特集「新選・百人一首」から連合艦隊司令長官山本五十六が愛人の 河合千代子へ送った手紙の中の歌を紹介した。 それで思い出したのが作家里見弴の短編小説「いろをとこ」のこと。 丸谷才一選『花柳小説名作選』(集英社文庫)に入っ…

新選・百人一首

「文藝春秋」の2月特大号が“代表的日本人の「新選・百人一首」”という特集を組んでいる。 政治家、財界人、軍人、歴史人物、作家、詩人、評論家、学者、宗教家、思想家、芸術家、その他 各界の著名人の短歌から選んだもので面白かった。 中でも最も興味深か…

清水義範著『考えすぎた人』

清水義範著『考えすぎた人』新潮社、定価:本体1600円+税 ユーモア小説は、書くのにもっとも難しい小説だと言われている。 清水義範さんは、その難しいユーモア小説を得意とする作家だということだ。 書店でこの本を見つけたとき、そのタイトルで衝動買…

「能仁寺山門下の幻想」

10月29日まで5日間沖縄へ旅行してきました。 接近中の大型台風の進路をすり抜けるようにして羽田を飛び立ち、台風通過後の那覇へ着陸しました。 沖縄は気温が27~28度あり、まだ夏の終わりの気分で過ごしました。 沖縄には双子の孫(女の子)がおり…

中島岳志『血盟団事件』

中島岳志著『血盟団事件』(文藝春秋)定価2100円+税 1932年2月民政党の井上準之助、3月に財界人団琢磨がピストルによって暗殺された。 犯人たちは「血盟団」メンバーの19,20歳の若者たちだった。 あまりにも有名な「一人一殺」を掲げたテロ…

山陽日日新聞の書評

新刊『深夜音楽』を尾道の地元紙である山陽日日新聞が10月5日の紙面で 本の出版と作品の紹介をしてくれた。 記事を書いた幾野伝記者は現代の社会問題をテーマにしているということで「冬のこうもり」 について特に詳しく紹介してくれた。

『深夜音楽』評

HTさん(女性)から『深夜音楽』の感想を手紙で頂いた。 彼女は元出版社の編集の仕事をした人で、退職後もフリーで出版のプロデュースをしている。 美しい文字を書く人である。 (略) 既に拝読していましたのは、後の三作だけでしたが、はじめから読みは…

『深夜音楽』評

TKさん(女性)から長い感想文が送られてきた。彼女の夫は、わくわく亭と同人誌仲間だったが、 数年前に他界している。だからTKさんは現在は一人暮らしである。 (略)中で、最もおもしろかったのは「にらむ女」です。 たまたま同時期に渡辺淳一の「ふた…

『深夜音楽』評

関西の同人誌に小説を書いているTAさん(女性)から『深夜音楽』の感想をもらった。 彼女はまだ40代かな?わくわく亭よりうんとお若い、才能豊かな作家だ。ごく最近ある文学賞で 作品が佳作入選になっている。 (略) 「酩酊船」の合評会で初めてお会い…

『深夜音楽』評

関西在住の詩人でエッセイストのFAさん(女性)から『深夜音楽』の面白い感想を したためたお手製の絵はがきを頂いた。絵は水彩の風景画。 前文ごめん下さい。 われらがヒーローのことあげなせる深夜お散歩。 まだちょっと早いのではないかしら、と枯れて…

弓場敏嗣氏の『深夜音楽』評

弓場敏嗣(ゆばとしつぐ)さんは尾道市因島出身で電気通信大学名誉教授。氏は現在SNSで書評を 書いておられる。新刊『深夜音楽』の書評を頂いたので、掲載させていただく。 弓場敏嗣@我孫子 ----------------------------------------------------------…

『深夜音楽』評

わくわく亭が尊敬する作家のOS氏から読後感想をいただいた。 感想といえども私信なので氏の名前はOSとイニシャルにするが、まことに うれしい感想である。 (前略) いずれの作品もおもしろく、本を手放せなくなり、一日で読了致しました。いずれも 手だ…

読書サイト「伊奈文庫」

「文学逍遥 伊奈文庫」は「伊奈遊子(ゆうし)による文学逍遥。つれづれなるままに記す文学雑感&読 書メモです。」と自己紹介された読書家のブログである。 最新の記事が『深夜音楽』を取り上げてくれている。 その中で、注目すべきは次の一節なのだ。 ここ…

織田作ガイド本

『永久保存版 織田作之助』(河出書房新社)を買ってきた。 織田作に関する本の出版は近年珍しいから、表紙を見てノスタルジックになって買った。 編集は「オダサク倶楽部」である。ネットで見かける名前だが、大阪の熱狂的な織田作ファンの 倶楽部らしい。…

松村信人「一人の作家を追って」

出版社(株)澪標の社長松村信人さんが、版元ドットコムのメルマガの「版元日誌」に 「一人の作家を追って」という一文を寄稿している。松村さんの了承を得て、転載させてもらう。 オリジナルは→http://www.hanmoto.com/diary/2013/09/04/661/#more-666 版元…

新刊『深夜音楽』発売

8月26日からわくわく亭の新刊小説集『深夜音楽』が(株)澪標より発売になりました。 定価:本体1600円+税、276ページ 12冊目の本です。七編の短篇を収めています。 「小石の由来」はパチンコ店のネオンサインが念力で消してしまえると教えてく…

電子書籍化

紙の本ではなく、パソコン、スマートフォンやタブレット端末で読む電子書籍があります。 紙の本より安くて携帯に便利で、場所をとらない、などの利便性からアメリカでは紙の本より 電子書籍が売り上げが多くなったとか。 日本ではまだまだで、毎年のように「…

図書新聞評

「図書新聞」6月29日号の同人誌時評を澪標の松村氏が送ってくれた。 評者は志村有弘氏。作品はわくわく亭が『別冊関学文芸』46号に発表した「中橋稲荷の由来」。 トップの扱いがありがたい。

「解錠師」

週刊文春が2012年の海外ミステリー第一位に選んだアメリカ作家スティーヴ・ハミルトンの 小説。 ハヤカワ文庫、定価940円+税。文庫にしてはいい値段だ。 第一位に選ばれたのだから、どこの書店でも手に入ると思ったが、そうではなかった。 ハヤカワ…

全タイトルが電子書籍になる

わくわく亭の本は、これまでに11タイトルが出版されている。 すべて大阪の出版社である株式会社澪標(みおつくし)からの出版。 その澪標からの連絡によると、11タイトルがすべて電子書籍化されるというのである。 どういうことなのか。 昨年度から経済…

スクールカースト

『教室内(スクール)カースト』光文社新書、定価:本体840円 新聞の書評で紹介されていたので読んでみた。 著者はまだ東大大学院の研究生であるので、文章は学術的ではないが、若者らしい 柔軟な率直なもので、問題が身近なリアルなものとして扱われてい…