資本主義の終末

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水野和夫さんの本が出ると迷うことなく買って読んでいる。

『世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換』(太田出版

『資本主義という謎ー「成長なき時代」をどう生きるか』(NHK出版新書)

『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書

水野さんによると16世紀にはじまった資本主義の歴史は、いま終焉の時を迎えつつあるという。

それを金利、利子率の変遷の分析から明らかにする。現在日本を先頭にしてアメリカ、EUが

ゼロ金利政策を採っている。日本では20年も続いている。EUではさらにマイナス金利にまで

踏み込んでいる。金利が2%を下回る経済状況では資本は利益を出すことができないのだそうだ。

ましてやゼロ金利である。金融緩和をいくらやっても、利益の出せない環境では資本は投資する

対象がない。経済成長は不可能になっているということなのだ。金融緩和は数年の間隔をおいて

バブルになり、バブル崩壊をくりかえす運命だと。

経済成長という不可能な幻想から目覚めて「定常状態」というゼロ成長が当たり前の社会を

日本は受け容れて、それへの態勢を整えるべきだと主張する。

利子率変遷の分析から現在の世界の低成長、低金利、デフレ化の流れを説明して、われわれにとって

資本主義が当たり前に思っていた世界の仕組みが終わりつつあると知らされて、世界でいま起きている

諸現象を別の眼で見ることを学ぶ。