全タイトルが電子書籍になる

わくわく亭の本は、これまでに11タイトルが出版されている。

すべて大阪の出版社である株式会社澪標(みおつくし)からの出版。

その澪標からの連絡によると、11タイトルがすべて電子書籍化されるというのである。

どういうことなのか。



昨年度から経済産業省が推進する「コンテンツ緊急電子化事業」というものがあって、それは

国内の既刊出版物6万冊を年度中に電子化することを目指し、電子化作業に要する製作費用

の一部を国が補助するという経済産業省による予算20億円(うち補助金の上限額は10億円)

の事業だとのこと。

その事業推進のために政府機関と大手出版社多数が出資した「(株)出版デジタル機構」という

会社が設立された。ここを窓口として、書籍の電子化を希望する出版社の申請を受け付け、

条件に適合するかどうか審査も行って、どうやら3月の年度末までに書籍の電子化作業は終了したらし

いのである。


すでに講談社の「ブルーバックス」52タイトルが電子書籍として配信されている。


電子化された書籍は「紀伊國屋書店 BookWebPlus」「kobo イーブックストア」「エルパカ BOOKS」

GALAPAGOS STORE」「コープデリ e フレンズ電子書店」「セブンネットショッピング

「どこでも読書」「TOP BOOKS」「BooksV」「BOOKSMART Powerd by BOOKER’S」「Book Place」

「BookLive!」「honto」「本よみうり堂デジタル」「MOBI-BOOK」から販売されるらしい。

ソニーのリーダーやアマゾンとも取り扱い交渉しているのだそうだ。


ブルーバックスの配信開始を皮切りに、今後、偕成社宮沢賢治など児童文学の名作(偕成社文庫)、

中央公論新社筑摩書房白水社みすず書房の新書や学術系書籍、ネコ・パブリッシングの鉄道

シリーズ「RMライブラリー」、また、これまであまり電子化されていない絵本や図鑑、

学芸出版社(京都)、創元社(大阪)、金港堂(宮城)といった関西や東北地域の出版社や、

電子書籍を初めて手掛ける出版社の作品などが配信予定だという。

その「関西や…」という目立たない出版社のお仲間に、わが澪標も参加したらしいのである。


なんにしても、面白いではないか。

零細出版社の書籍は、出版部数は少ないし、増刷されないから、入手困難になる。

それが電子書籍として配信されることになれば、いつでも入手できて、絶版になる心配がない。

ソニーやアマゾンやアップルの携帯端末で、わくわく亭の本が電子配信されたら、こんな

愉快なことはない。

さて、いつごろから、どうなるのだろうか。

期待して待つとしよう。