青春期の三浦哲郎

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竹岡準之助さんから新刊の著書を頂く。

竹岡さんはたわむれに芥川作家三浦哲郎の「公式記録員」と自称しているが、それほどまでに

三浦哲郎の大学時代から晩年まで親しく接して、三浦の作家としての成長・円熟を近くから見守って

来た人である。氏は社主として出版社「あすなろ社」の経営を長年続けてきた。ここ数年に

次々と著書を出版して、人生の総まとめをしておいでになるらしい。

その中の『白夜の忌ー三浦哲郎と私』(幻戯書房)では作家デビュー以前の同人誌時代から

晩年までの三浦哲郎との半世紀以上の交流を描いている。それが出版されたのが4月で、礼状と

短い感想を書いて送って間もなく、『青春の日記ー三浦哲郎のこと』(幻戯書房)を頂いた。

著者の日記から描かれた小説家三浦哲郎誕生前夜の青春期である。

『白夜の忌』は東京新聞の書評欄で出久根達郎氏が「著者には更に思い出を語っていただきたい。

どんな些末な事柄でもよい。三浦文学研究のためである。これは親友の義務である。著者には良き

語り部の美質があるゆえに切望する。」と評している。

『青春の日記』はまさに「親友の義務」を果たした著作である。

これら2冊は三浦哲郎文学の愛好者と研究者にとって待望の出版だろうと思う。