わくわく亭文庫

初体験・ソフトクリームの巻

わくわく亭には2人の息子がいます。 下の息子が、まだ幼稚園か小学1年のころだったでしょうか。 どこかに家族で遊びに行ったときのこと。 売店で各々が好きな飲み物を買いました。われわれ夫婦は生ビール、 上の息子がコーラといったように。 下の子は、近…

初体験・回転寿司の巻

幼いこどもたちにとって、世界のすべては初体験です。 初体験のため予備知識はありませんが、それなりに対処してみせます。 バンザイと叫びたくなるほど、みごとにやってみせてくれます。 ―――――――――――――――――――――――――――― はじめてA子ちゃんは、ママに回転寿…

「秋山小兵衛」の小鍋だて

年賀状を書いたりする季節になりました。 そこで、5月に書いた「池波正太郎さんの年賀状」という記事を読み返すのですが、あらためて、池波さんの作家としての凄みを感じています。 その記事は、池波さんが出す年賀状の枚数が、晩年6000枚に達しており…

指を鳴らす

ラジオの番組で、リスナーから募集していた「わたしの得意技」を、 アナウンサーが披露していた。 ちゃんと聞いていたわけではないけれど、面白い得意技がたくさんあった。 たとえば、こんな「わたしの得意技」がある。 1.舌先の豆を鼻孔に詰める。 「わた…

新内

本ではないのだが、いまどき、珍品かなと、持ち出しました。 新内のLP 2枚。 一枚は『新内 蘭蝶・明烏』日本コロンビア 1965年9月制作。 蘭蝶 唄と三味線 新内勝恵 明烏 唄 鶴賀徳之助 三味線 新内勝恵 一枚は『蘭蝶―若木仇名草』日本コロンビア 1…

余生の文学って?

広辞苑で「余生」をひいてみる。 「残りの人生。老後の生涯。《幸せな―を送る》」とある。 余生といったら、自分の家業を終えて息子に跡を譲ったとか、定年で年金生活に入った人の、その後の人生期間といったところだろう。 『余生の文学』という吉田健一さ…

わが家の「武蔵」どの

わくわく亭の家には、剣豪宮本武蔵が同居しています。 彼女が武蔵だということを、僕が識ったのは、彼女が「だって、わたしは宮本武蔵ですよ」とみずから告白したことによります。 そうか、武蔵であれば、納得もいく。 これまで彼女の非凡なワザを目撃するた…

歩のない将棋は負け将棋

朝のTBSラジオ番組が、聴衆からのリクエスト曲をながしている。 ~ 歩のない将棋は負け将棋 世間歩がなきゃなりたたぬ 演歌の王様 北島三郎が唄う『歩』という歌であることくらい、わくわく亭でも知っている。ただし、 わくわく亭はカラオケでも「さぶち…

投石にご注意を!!

それは、8月にニュースバードの報道で見た映像だった。 豊橋市立の動植物園で、オスのチンパンジーが見物人に向かって小石を投げる映像だった。 チンパンジーは9匹いる群れのボスということだった。いつのころからか、彼は見物人に石を投げつけるようにな…

「カラマーゾフの兄弟」と新訳ブーム

近頃ドストエフスキーの名前をかなり頻繁に、新聞の書評欄や広告欄で見かけます。 光文社が古典の新訳文庫というものを出版しており、そこへロシア文学者である亀山郁夫さんの新しい翻訳で「カラマーゾフの兄弟」を出したところが、翻訳者はもちろんのことだ…

女優高橋恵子(関根恵子)さんに会いにいけるか?

わくわく亭の友人であるノンフィクション作家高宮檀(たかみや だん)さんが、彩流社から出版した 新著『芥川龍之介が愛した女性』は好評のうちに売れ行きも上々ということらしい。 芥川の小説「藪の中」と「或阿呆の一生」に登場してくる女主人公のモデルが…

「おやじ」って台風のことか?

「尾道少年 ヒカルくん」を書いて、一息ついたら,もう3日たった。 「尾道少年 ヒカルくん」には僕のブログ訪問者数の新記録が出ました。それで安心していたら、すぐ 3日過ぎて、訪問者は減ってしまうだろ。 このブログってさ、どんどん新ネタを書かなきゃ…

「母の詭弁集」から [3]

『姫路文学』119号に書いた「母の詭弁集」から、91歳晩年の母のエピソードのつづきです。 《その7》 外出中の妻の名前を、母がいつまでも呼びつづける。 91だというのに、びっくりするほどの大声である。 「まだ帰ってないんだって言ってるじゃない…

「母の詭弁集」から [2]

『姫路文学』119号に掲載した「母の詭弁集」から、晩年91歳の母のエピソードのつづきです。 《その3》 僕は浴室で顔を洗っていた。廊下をすっと人影がよぎったような気がした。 まさか、ベッドからすぐわきの携帯式便器までしか動けないはずの母が通っ…

「母の詭弁集」から

わくわく亭は同人誌『姫路文学』119号に「母の詭弁集(きべんしゅう)」という作品を発表しました。 晩年のわくわく亭の母のエピソードをつづったものです。 母は91歳になって病気入院し、退院して帰宅したのですが、血圧を下げる薬と、興奮を抑えるた…

世にもまれな

(1) 北欧、ノルウエーだったかもしれない。雑誌で読んだのだったが、その人は、ピーナツを食べた人と街ですれ違っただけでショック症状がでるので、怖くて外出ができなかったそうだ。 その人は、自分の住居を改造し、一階を全面ガラス張りにして、外出を…

ミネラル不足なのか?

死ね、とか殺すよ、などと聞き捨てならないことを、子供や若者がかんたんに言うでしょう。 男の子ばかりとは限らない。女の子たちも言ってます。 電車の中などで、中学生の女の子たちが、ふざけあったりしているとき、そんな言葉が飛び交っています。 「ざけ…

アイスキャンデー屋の少女

小説を書いていて、登場する人物のほとんどは架空のものだから、読者から、その人物が現実にいたと聞かされて、「うっそー。ほんとなの」と驚くことがあるんです。 僕の『尾道物語・純情篇』におさめた「アイスキャンデー屋の二階」は、ある映画館のすぐわき…

秩父の梅の実

秩父の梅の実について書くことにしていたのですが、いきなりそれから書いたっておもしろくないな、と思っていたところ、諷刺漫画の横山泰三さんが亡くなったというニュースを聞いたので、これを書くことにしました。 泰三さん→隆一さん→フクちゃん→秩父の梅…

尾道のラーメン

東京の盛り場で、近年尾道ラーメンののれんや看板を見かけることも、めずらしくなくなった。 先日も横浜の桜木町へでかけたとき、駅近くの商店街で2軒の尾道ラーメン店をみつけ、これはもう、かつての札幌ラーメンのブームに匹敵する大人気になるのではと、…

Y字路

散歩の途中、はじめてY字路にであったとき、どちらにしようかと、迷うことがある。片方が明るい川沿いのなだらかな道で、もう片方が竹やぶ下の暗いでこぼこ道だとしたら、もちろん前者を選ぶ。 そのつぎからは、迷うことなく同じ道を散歩コースとするから、…

未発表の短編文庫

僕 わくわく亭も作家のハシクレであれば、本や雑誌に未発表の短編をこの文庫に収めて、訪問者にお楽しみいただこうとかんがえています。 ぼちぼち、参ります。