VAMPS

タイトルの英語の意味を、最初に説明している。


VAMP―ヴァンプ だらしない女、性的に男を挑発する女、男(女)を食いものにする女

VAMPIRE―ヴァンパイア、吸血鬼

立花という青年が祖父が残した古い大きな洋館に住んでいる。

パソコンで小説を書いているのだが、生活はキビシイから、部屋を貸して家賃収入を得ることにする。

不動産屋がつれてきたお客は、美人の婦人と彼女の3人の娘たち。娘たちがとてつもない美女。

なかでも三女の「さくら」のかわいいこと。

立花君とさくらは「ひと目で恋に落ちてしまった」

立花君はなんとしてもテナントにしたいものと、

「美しい方々に住んでいただけるなら、タダでも…」と口をすべらせる。

ボロ家の二階は4人の美女がタダですむことになる。

その頃、街では毎日のように変死体が見つかっていた。
全身の血液が抜き取られた死体ばかり。

すなわち、二階の4人は吸血鬼なのだ。

恋に落ちたさくらと立花君は、ついにベッドで抱き合う。
そうして、さくらは「それより、もっと気持ちいいことしてあげる」と彼の首に手をのばす。

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さくらは父親が人間だったために、半分人間らしく苦しむことになる。
母親を剣で刺すことになるのだが、はたして、何が起きたのか、わからない。

立花君が眠りからさめたとき、家の中には誰もいなかった。

まえのような生活が戻る。

変わったことといえば、生きているのに、まるで死んでいるような気分だ。

(まあ前からそうだった、といえばそうだったんだけど)

本当はもう死んでるのかもしれない。

でもそんなことどっちでもいい。

そうして、古い大きな洋館でただ一人、彼はカタカタとパソコンで小説を書いている。
それは「一晩だけの恋人の物語」


生きることへの、ゆる~い倦怠感(古い言葉でアンニュイ)がモチーフだ。

パソコンの向こうにあるバーチャルな世界に生きようとする若者のゆる~い厭世観

生きているのか、死んでいるのか、わからなくてもいいよ、

どうせ朝起きて、夜眠るだけのことじゃあないか。

このあたりの、ゆるさのアンバイが、現代の若者の共感を呼ぶにちがいない。

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