ひまわり

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これも15ページしかない短い作品。

エンド・オブ・ザ・ワールド』のなかで、わくわく亭お気に入りの一作なのです。

小学6年生の純一は、同級の女の子マキちゃんと一緒に、夏休みのプールへ行く途中で
若い女性に名前を呼ばれる。

彼女は19歳で、ハルミさんといって、純一の家で経営しているアパートに一年住んでいて、
最近出ていった人だった。

彼女は学生で、テレビゲームの面白いのを持っていたから、純一は時々遊びに行っていた。

ある日、部屋に行ってゲームをやっていたら、彼女は酔っぱらって泣いていた。
なぜ泣いているのか聞かないか、と彼女はいった。
「なんで?」
「あんたなんかに教えてあげないよ」

ハルミさんが純一に目隠しをして、「かまってよう」といった。
ついで、「ファミコンより、いいこと教えてあげる」と…。

そんなことがあった彼女に呼び止められた。

マキちゃんを残しておいて、純一がハルミさんの近くへ行くと、驚いたことをいわれた。
「赤ちゃんができたみたい。あんた、血液型Bでしょ」

彼女は妻のある男と不倫関係にあって、彼が離婚しだいに結婚するつもり。
相手は血液型がBで,自分の子供だとおもっているし、結婚を迫る条件としては都合がいい。

「どうも、あんたの子どもみたい」
「…」
「ごめん、関係ないか、こんな話。でもさ、いちおう教えとこうと思って。
気にしなくて。いいからねー。じゃーにー」
ハルミさんは行ってしまった。

純一はもうプールへ行く元気がなくなって、マキちゃんを誘って、アイスをおごっちゃう。
アイスを口にしたけれど、純一は「ゲ~~」とやってしまった。

「ぼく青木純一12歳、小学校最後の夏休み。その3日目のできごとです」

で、

END。

う~、うまい。
わくわく亭は唸ったね。
こんな短編小説書きたかった。

岡崎京子の才能に敬礼!