「ホームレス歌人」続報

2月16日の記事で「朝日歌壇」に投稿する「ホームレス歌人公田耕一さんの入選歌を紹介した。

その中にシャンソン歌手ジュリエット・グレコの歌を詠い込んだ次の一首があった。

      美しき星座の下眠りゆく グレコの唄を聴くは幻


この歌について今朝の朝日新聞の『天声人語』がグレコの愛好家からの反響を紹介している。

グレコがデビュー間もない1951年に吹き込んだシャンソンが『美しき星の下に』だった。

グレコはパリの浮浪者や娼婦を歌う。

《腹ぺこの浮浪者はベンチで眠り、老いた娼婦たちはまだ客を引く…》

パリに在住しているシャンソン愛好者が新聞社に便りを寄せた。

「この曲を知る人はファンでも少ない。50年代に青春を送った70歳前後のフランス通」では

ないか、と歌人について推測する。



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  【ジュリエット・グレコは1927年生まれで、今年82歳。まだ活躍中。

  母親は戦時中レジスタンスの闘士だった。戦後サルトル実存主義の知識人たちの

  アイドル的存在として、その美貌を生かし、シャンソン歌手として女優として活躍。

  しだいに政治的にも自立した女性として発言をしつつ、個性的な生き方をする。

  黒ずくめの衣装が有名。
 
  主要な持ち歌としては、「パリの空の下」「ロマンス」「詩人の魂」「パリ野郎」など。

  たびたび来日公演をしている】



グレコの日本公演を手がける中村敬子さんは、

「若くして欧州の文化を愛したであろう方が食うや食わずなんて、胸が詰まります」

と語っている。

朝日歌壇は毎週月曜日に入選歌を発表している。

今日はその月曜日。

わくわく亭は今週の入選歌の中に、公田耕一さんの名前をさがしてみたが、

その名前は見当たらなかった。