2009-10-02から1日間の記事一覧

近藤聡乃(2)

2008年9月に出版された近藤聡乃さん2冊目の単行本である。 前回にも書いたことであるが、彼女の作品は「作者が見た夢や少女時代の記憶などをもとに 織り上げた幻想的な画像世界といえる作品」なのである。 ストーリーといえるほどのストーリはない。 …

野宿火(のじゅくび)

きつね火にもあらず、 草原火にてもなく、 春は桜がり、秋は紅葉がりせしあとに、 火もえあがり、 人のおほくさわぎうた唱ふ声のするは、野宿の火といふものならん。 なかなかに情緒のある竹原春泉の文章なので、引用した。 田舎道、街道、山の中などどこに…

寝ぶとり

この図を『百物語』ではなくて、浮世絵の一枚だといわれたならば、「女相撲取りの昼寝」 でもあろうかと思っただろう。 「寝肥」(ねぶとり)という女の病気であると絵師は云っている。 たしかに、アメリカなどに、身動きできないほどに体重がふえてしまい、…

二口女(ふたくちおんな)

日本各地に、このような頭の後ろ側にも口があって、二人分の食事をする女の怪異談は 伝えられているようだ。食糧難の時代には、空腹を抱えた嫁が家族に隠れてものを食う、 というのを、口が二つある化け物の話にして言いふらし、嫁いじめに使った場合もあっ…