満鉄ポスター展・伊藤順三

南満州鉄道(満鉄)の元社員たちでつくる「満鉄会」が開催する「満鉄ポスター展」。

一般公開は23日の午前11時から正午までの、わずか一時間というから、

会場の港区高輪ホテルパシフィックまで行くことはできない。

同会のHPから伊藤順三、真山孝治らのめずらしい作品を見る。

出品は全部で16点。

そのうちから、伊藤順三の作5点、真山孝治の作1点、作者不詳の作2点を、わが「驚異の美術館」

に展示させてもらう。

まずは、伊藤順三の「長春駅」またの題を「長春駅の雑踏」

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この作品について「満鉄会ニュース」に掲載された解説を引用する。

《満鉄ポスター「長春駅の雑踏」(伊藤順三画)について。

ポスター収集家 中村俊一朗氏蔵

  左ホームに満鉄の列車。

  右にはストーブの煙を吐く東支鉄道の列車。

  乗り換え客で混雑する長春駅のプラットホーム。

  ラッコ帽のロシア人、着ぶくれした中国人夫婦。

  後ろには和服の日本人一家も見える。

  国際色豊かな駅の情景が描かれた…》

制作年代が不明らしいが、伊藤順三が満鉄に嘱託として在籍していた期間が、

大正半ばから昭和10年代半ばまでというから、他のポスター制作年代とも勘案して、

1930年前後の作ではないだろうか。


ところで、「満鉄」と聞いても、どこの鉄道かご存知のない方も多いだろう。

WIKIPEDIAから、これも引用する。

南満州鉄道株式会社(南満洲鉄道株式会社、みなみまんしゅうてつどう、通称 満鉄、

英称: South Manchuria Railways Co.)は、日露戦争後の1906年明治39年)に設立され、

1945年(昭和20年)の第二次世界大戦終結まで満州中国東北部)に存在した日本の特殊会社である。

鉄道事業を中心にするが、きわめて広範囲にわたる事業を展開し、満洲経営の中核となった。

初め大連市、のちに新京特別市に本社が置かれ、東京市麻布区麻布狸穴町に東京支社が置かれた。

最盛期には80余りの関連企業を持った。》

初代総裁は後藤新平である。