中川清さん

中川清さんは落語の桂米朝さんの本名です。

米朝さんの文化勲章受賞が発表になりましたね。

人間国宝である米朝さんが、わくわく亭の文学仲間だという記事を書くつもり

ではありません。

米朝さんの実弟である中川敏さんが、「姫路文学」の同人仲間で、お顔がそっくりだし、

剽軽で品のいい落とし話のようなコントをお書きになるのです。

米朝さんは姫路の出身で、若い頃は姫路市内の芝居好きな青年達でつくる素人劇団に参加して

いたそうで、当時の芝居仲間がわくわく亭の知人にも2人います。

米朝さんは芝居から落語へすすみましたが、その2人のうち1人は劇団「前進座」から

日本舞踊家になり、もう1人は劇場照明のプロへとすすみました。

そうした方々から、米朝さんの若い頃の話を聞かせてもらっています。


さて、今朝の朝日新聞の「天声人語」に、米朝さんについてのいい話が出ています。

『(米朝さんは)戦後、絶滅寸前とも言われた上方落語を立て直した。かつて聞かせてもらったとき、

 端正な芸に誘い出されるように笑いがわいた。横隔膜の痙攣のようなテレビのお笑いとは、

 趣が違う。

 「良い雰囲気の中で客席と演者が一つになったような時、真の落語はその中に存在します。

 そして終了と当時に消えてしまいます」

 その一瞬のために精進するのが噺家だと米朝さんは述べる』

話が終わると消えてしまう儚い存在のために、精進をして精魂を傾ける。

ああ、とてもいい話です。