五味康祐邸の門(2)

わくわく亭は五味康祐氏の死後、あの旧邸がどうなったか知りたくなった。

 

まず、ネットで画像を探してみた。一枚の写真があった。

 

イメージ 1

 

特徴のある屋根付き門と竹林が写っている。撮影時期は不明だが、もちろん五味氏存命中のもので、

 

竹の茂った様子や、門の汚れ方などから推測して、ほかにこれという根拠はないものの

 

昭和40年代の写真ではなかろうか。



さて、練馬文化センターの「知られざる五味康祐展」でわくわく亭はつぎの写真を見つけた。

 

展示責任者の許可をもらって、カメラに収めてきた。

 

五味康祐氏が石神井から大泉学園5丁目に新邸を建てて移ってきたのは昭和31年(1956年)

 

だったが、これが当時の新邸である。

 

昭和31年というと、1月には雑誌「オール読物」に「剣法奥義」の連載を始めていたし、

 

2月には「週間新潮」に「柳生武藝帳」の連載も始めていた。同時に柴田錬三郎の「眠狂四郎

 

無頼控」も連載になり、剣豪小説ブームが始まった年である。

 

いまや流行作家になった五味康祐氏が、剣豪作家にふさわしい邸宅を新築したといえる。

 

まだ広い庭には樹木も植えられてはいない。

 

しかし、特徴のある屋根付き門は、すでに見えている。

 

イメージ 2

 

「知られざる五味康祐展」で展示用の冊子を買ってきた。「五味康祐の世界」という150ページ

 

ほどの立派な本である。

 

その中にNHKが撮影した「練馬区大泉学園町にあった五味康祐邸外観」という写真があった。

 

イメージ 3

 

撮影時期が書かれていないが、一枚目の写真と比べて、よく手入れがされており、竹林の

 

様子などからして、五味康祐氏の死後に遺族によって塗装し直したときの写真ではないかと

 

思う。

 

まさしく、わくわく亭が五味通りで見物してきた五味邸の姿がこれだった。

 

とすると、昭和60年(1985)ころのものか。NHKがなにか五味康祐追悼番組でも

 

制作して、その時に撮った写真ということも考えられる。