大友克洋(2)『ショート・ピース』
彼自身が自選した9作品を、奇想天外社という小さな出版社から昭和54(1979)年に刊行したのが、この『ショート・ピース』である。その数年後、奇想天外社は倒産している。
作者にとって初めての作品集だったという感慨を、大友は次のように記している。
「当時、この本が自分にとって初めての作品集と云う事で、装幀や写植選び、その他本作りを楽しんだ
覚えがあります。
今見ると確かに内容もふくめ、技術その他、ずい文と稚拙な感じもしますが、それは現在の自分もまた、かくの如しと反省し、とりあえずこのショート・ピース(短く楽しかった日々)を読んでやってください」
覚えがあります。
今見ると確かに内容もふくめ、技術その他、ずい文と稚拙な感じもしますが、それは現在の自分もまた、かくの如しと反省し、とりあえずこのショート・ピース(短く楽しかった日々)を読んでやってください」
貧しい学生や若者のもだもだした日々の状況を、風刺や批判精神をもって描いた、どれもつよい印象を
のこす水準以上の作品揃いである。
のこす水準以上の作品揃いである。
描いた年齢をチェックしてみれば、大友克洋の才能がいかに早熟だったかわかる。
1973年、漫画アクション増刊に作品が掲載されはじめるが、そのとき彼は18歳である。
1976年22歳で、『ショート・ピース』に収めた「犯す」「School-boy on good time」を発表。
1978年24歳で、「大麻境」「任侠シネマクラブ」