大友克洋

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まず、横着をしてWikipediaから大友克洋の人物説明を拝借する。



「大友 克洋(おおとも かつひろ、1954年4月14日 - )は、日本の漫画家、映画監督。宮城県登米郡迫町(現在の登米市迫町)出身。宮城県佐沼高等学校卒。

1973年『漫画アクション』にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。ペンタッチにたよらない均一な線による緻密な描き込み、複雑なパースを持つ画面構成などそれまでの日本の漫画にはなかった作風で、80年代以降の漫画界に大きな影響を与えた。

1988年、自作を元に自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は海外でも大きな反響を呼び、「ジャパニメーション」と呼ばれる日本アニメの海外進出のさきがけとなった。近年は主に映画監督として活動している」



大友克洋以前・以後という表現があるくらい日本のマンガ・アニメ界では画期的な仕事をしたと高く評価されている。

彼のアニメ作品ではオムニバスの『MEMORIES』『スチームボーイ』を、実写では『蟲師』を
見たが、わくわく亭の好みからすると『MEMORIES』が一番で繰り返しTVのアニメ専門チャンネルで見ても飽きない。

蟲師』は原作マンガがユニークな素材で面白かったし、主演がオダギリジョー蒼井優という好きな俳優をつかっていおり期待をして見たが、「大友」の看板が大きすぎたせいか「平凡」な出来に思われた。

スチームボーイ』は製作費24億円という鳴り物入りの大作として公開されたが、興行収入は11億円で、興行的には成功しなかった。
レトロな科学世界(手塚治虫の『メトロポリス』的)での連続活劇モノなのだが、宮崎駿作品にくらべると、思想的な深みにかけるというか、やはり「平凡」な作品だということになる。

アニメ版の「AKIRA]を見ていないので、まだ全体的な評価はできないものの、アニメと実写映画
において大友克洋の真価はいまだ発揮されていないといえるのではないか。



しかし、マンガにおいては『童夢』『AKIRA』の2作品によって、まぎれもなく大友克洋はエポックメーキングをやりとげた。


最初に出会ったのは『童夢』だった。

1983年の日本SF大賞を受賞したマンガということで評判となり、それで書店で取り寄せて読んだものだ。

なにしろ、SF大賞とは小松左京井上ひさし荒俣宏半村良たちビッグネームが書いたSF小説に授与されるものと思っていた常識を破って、若い(29歳)マンガ家の作品が賞をとったというのだから、いったいどんなマンガなのかと、強い関心があった。

読んでみて、そして細密な絵を見て、マンガの新時代が切り開かれたのだという実感をもった。

それは、やはり興奮させるような驚きだった。

物語は、あるマンモス団地内で、不可解な殺人事件が起き、それは超能力を持つ老人による無邪気な殺人ゲームであった。それを阻止するため、同じく超能力を持つ一人の少女が立ち向かう、というもの。

念力のようなスーパーパワーで、巨大なビルがひび割れて崩壊する。割れた瓦礫を精密に描いて、それまでもマンガに見たこともない圧倒的にリアルな迫力を創造した作品だった。


それからというもの、「大友克洋」という名前は、わくわく亭の頭にしっかりと刻み込まれた。

記念すべき『童夢』は、しかし、わくわく亭の息子たちが読みたがるようになって、仕方なく貸してやったのだが、案の定、どこかへいったっまま、手元に戻ってこなかった。




いま手元にあるのは、写真のとおり「AKIRA]の全6巻である。


そして、先週古書店で手に入れた「ショート・ピース」と「さよならニッポン」の2冊である。

『ショート・ピース』は作者自薦による最初のマンガ集として1979年に奇想天外社から出版された。

20代の若い大友の体臭がプンプンとする処女単行本だった。

その後1986年にこんどは双葉社から大友克洋傑作集(3)として出版された。

わくわく亭が持っているのは、その双葉社版である。

その内容は回をあらためて紹介する。