もやしもん
書店の店主に、
「もやしもん、ありますか?」ときいてみた。
「コミックスですか?」
「そう」
「作者は?出版社は?」
「わからないが、手塚治虫のマンガ大賞をもらった作品」
「???」
店主も知らないほどの地味なマンガなのか?
若い店員が在庫のある棚をおしえてくれた。
「1巻と、4巻とあります」
やはり、地味な売れ行きかも。
「もやしもん、ありますか?」ときいてみた。
「コミックスですか?」
「そう」
「作者は?出版社は?」
「わからないが、手塚治虫のマンガ大賞をもらった作品」
「???」
店主も知らないほどの地味なマンガなのか?
若い店員が在庫のある棚をおしえてくれた。
「1巻と、4巻とあります」
やはり、地味な売れ行きかも。
その1巻を買って、行きつけの「モスバーガー」で読む。
カバーからして、いまどきのコミックスらしからぬ地味なデザインだ。
カバーをはずして、表紙の写真もとる。
主人公にみえるというさまざまな菌類が表紙を埋め尽くしている。
主人公にみえるというさまざまな菌類が表紙を埋め尽くしている。
物語は地方から上京してきた、「沢木直保」(通称沢木もやし)君と「結城蛍」君の「農大」入学からはじまる。二人の家は、たね麹屋と酒造家である。
家業柄かれらは醸造と酒造りに必要な「こうじ」の勉強のために「農大」に入った。
家業柄かれらは醸造と酒造りに必要な「こうじ」の勉強のために「農大」に入った。
主人公は沢木もやし君であるが、彼は幼い頃から「異能」の持ち主で、乳酸菌や麹菌からカゼの菌まで、あらゆる菌類が目に見える。見えるばかりか、菌たちがおしゃべりしているのを聞くこともできる。
その超能力をもつ主人公を利用して、あたらしい菌の発見をしようとする学者や、それで金儲けしようと策をねる先輩学生たちが次々とあらわれて、学園劇をくりひろげるというストーリー。
まだ第1巻であるから、沢木もやし君の「異能」の紹介程度なのはやむをえない。
新聞では6巻まで出ていて、累計で272万部のヒットとなっているんだとか。
作者の石川雅之さん(33)は高卒でマンガを描きはじめたから「農大」経験はないそうで、実家が農大の近くだったので、そこでの見聞をもとに、マンガチックに誇張した農学部のキャンパスライフを描いているのだそうだ。
しかし、やはり、最初にうけた「地味」の印象は抜けないから、どこまでいけるのだろうか。