2012-07-02から1日間の記事一覧

志賀直哉と尾道遊廓(4)

近代日本の作家たちの中で、志賀直哉をはじめとする白樺派の芸術家たちは、生活するために 働く必要もなければ、働くこともなく、芸術活動に専念できた経済的に恵まれた人たちだった。 志賀直哉の祖父、父は足尾銅山、総武鉄道、帝国生命などに関係した財界…

志賀直哉と尾道遊廓(3)

志賀直哉が千光寺から市内をはじめて眺めた時の様子が、小説『暗夜行路』に書かれている。 鐘楼の所からは殆ど完全に市全体が眺められた。山と海とに挟めれた市は其細い幅とは不釣合に 東西に延びて居た。家並もぎっしりつまって、直ぐ下にはづんぐりとした…

書評家 児玉憲宗さん

土曜と日曜に大坂へ行ってきました。 「別冊関学文芸」の会があったからで、新幹線に乗るとき、車内で読むために「週刊新潮」を 買いました。ぱらぱらページをめくっていて、この書評に気がついた。 「絶対損しないこの一冊」というたのもしい書評ページ。 本…