劇団東演の「長江 乗り合い船」

イメージ 1

劇団東演の第140回公演「長江 乗り合い船」を観てきた。

会場は下北沢に東演が所有している東演パラータである。

下北沢駅まで待ち合わせしたタキザワ氏と一緒に観劇。

作者は沈虹光という現代中国の劇作家、であるから物語は現代中国が舞台である。

長江に沿った町の住宅団地に住む七十が近い元教師の女性が主人公。

部屋を若い夫婦とシェアしている。

若い夫婦にとって、金を稼いで家を買うことが最優先の目標。

元女教師は革命思想のもとに理想を掲げて生きてきた独身者。

若夫婦と生活スタイル、価値観の違いで一日中ぶつかりあっている。

そこに長江で船に乗っているバツイチの72歳の船長が、あらわれて、元教師の彼女に

再婚を申し込むが……、革命世代と、改革開放以後の世代との意識のギャップという

現代中国らしい問題と、夫婦、家族は人生にとってどれほどの価値があるものか、という

日本人にとっても普遍的なテーマをあわせて描いて、見応えのある舞台だった。

主人公を演じる女優山田珠真子さんとは、もう知りあって40年以上になる。

いまや劇団東演の座長であり、まことに堂々たる見事な女優である。