日本の少子化と婚外子

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先日あるところで婚外子のことが話題になった。

わくわく亭が「日本では結婚しない夫婦から生まれる子供は1~2%だけど、アメリかでは

生まれる子供の50%は婚外子だよ」と話したところ、誰一人信じなかった。

わくわく亭は「フランスで出生率が上昇しているのは、婚外子の増加が影響しているんだ。

法改正をして、結婚して生まれた子供も,事実婚で生まれた婚外子も、税控除や社会保障など

同じ権利が付与されているかららしい。フランスでは婚外子の率はアメリかより高い」

まだ誰も信じていない顔だった。


今日のTVニュースで、

《東京の世田谷区が出生届が提出されていない7歳の子供に、住民票を交付したことがわかりました。

子供の両親はいわゆる事実婚で、非嫡出子と記入しなくてはならない出生届の提出を拒否していて、

出生届が出ていない状態での住民票交付は極めて異例です》と伝えた。

さらに、つぎのように報じた。

《住民票が交付されたのは介護福祉士の菅原和之さんと43歳の妻の間に生まれた、現在7歳になる

女の子です。夫婦はいわゆる事実婚で、子供の出生届けに「婚外子」を示す「非嫡出子」と記入する

のを拒否して出生届を提出しておらず、子供は小学2年生になった今も戸籍と住民票がない状態が

続いていました。夫婦が世田谷区に住民票の作成を求めた裁判では、最高裁は2009年、夫婦の訴え

を退けましたが、「出生届が無くても、場合によっては住民票を作成すべき」という判断を示していま

した。「私の子供については、戸籍、住民票がないことによる不利益というものはなくなったという

ふうに思います。ただし、婚外子差別が維持されているという点については何ら変わっていないと

思います」(菅原和之さん)》

日本には国民を登録する制度として、住民票のほかに戸籍がある。戸籍は古くは「家」を単位として

登録させ、のちに改正して「家族」単位で登録させる。いわゆる家族制度の基礎となった登録制度だ。

家督相続、遺産相続の身分関係を証明する手段とされ、そのために嫡子、非嫡子の区分が記載される。

非嫡出子は嫡出子に比べて民法上の相続分が不利になったり、就職や縁談の際も偏見を持って見られた

りすることがあるとされるから、婚外子差別問題として問題提起もされてきた。

 そもそも戸籍制度は東アジアの、中国、朝鮮半島、台湾、日本で採用されてきた登録制度で、

個人を登録する欧米にはない制度だ。


 さて、結婚による子か婚外子か、嫡子か非嫡子か、この区別を国民登録にまで明記する日本では、

少子化が劇的に進行中である。

 他方そうした区別をつけないで、生まれた子は、一人の個人として住民登録されて、平等な保障制度の

もとで育てられる社会とでは、出生率に大差が生じている。

 日本でも若いシングルマザーが増えているが、それでも全体から見ればほんもわずかだ。

どうしても、日本人は結婚しない男女が子供を産むことを許容しない。

 未婚の女性が妊娠したなら、産まないように処置する。

 将来の経済的不安があれば、出産どころか結婚もしない。

しかし、経済的不安はアメリカでもヨーロッパでもおなじ状況だ。

それでも、どんどん婚外子が生まれて、出生率が上昇する欧州。

 日本でも、婚外子が生まれて、差別感を感じない社会になってほしい。

若者は恋愛したら、子供ができる。二人はそれから結婚しようとすまいと、生まれた子は

どちらでも同じ保障制度のもとで成長し、差別を受けることなく学び、就職し、そしてまた

恋愛して、子供をつくる。そうなれば、どんどん子供は生まれるだろう。

 さて、ここに、「世界各国の婚外子割合」というグラフがある。2008年の統計だが、

現在はもっと率は高くなっていると思う。

スウェーデン 54,7%

フランス   52.6

デンマーク  46.2

英国     43.7

米国     40.6

ドイツ    32.1

日本      2.1


日本の結婚観、婚外子観、このあたりにも少子化を押しとどめることができない日本的特殊事情が

あるのではないか。