ちょっと薄気味悪い深夜電話

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昨夜深夜の2時過ぎ、洋画専門チャンネルで恐怖映画を観ていた。

ジョニー・デップ主演の『フロム・ヘル』で、19世紀末ロンドンで起きた娼婦連続殺人事件

切り裂きジャック」の映画。

原作がイギリスのコミック作家アラン・ムーアの『フロム・ヘル』で、それについては、本ブログ

でも紹介している。

まあ、とにかく、恐い原作であり、映画なのだ。

この映画を観るのは2度目。

いよいよ最後の犠牲者が狙われる場面が近づいていた、その時、電話鳴った。

まもなく午前2時半だ。

こんな時間にどこからの電話だろうか。

どうせ間違い電話だろうから、放っておけば、すぐに鳴り止むだろう。

テレビの画面では殺人者の馬車が走り始めている。

うるさい電話の音は鳴り止まない。

やれやれ、とやや警戒して、受話器をとった。

「はい、もしもし」と僕はこちらの名前を言わなかった。迷惑電話にこりているからだ。

「もしもし、奥様にお知らせしたいことがございます」と陰気な声が言う。

「どちらへ電話おかけですか」

「ですから、奥様にお知らせしたいのです。奥様が親しくしておられた○○さんが、ついさきほど

30分ほど前にお亡くなりになりました。そのことをお知らせしたくて、こんな深夜に失礼をも

かえりまず…」

○○さんが亡くなった?

○○さんの名前に心当たりはない。

「あなたは、誰に電話をお掛けなんですか」と僕は訊いた。

「ですから…」と言いかけて、その後、奇妙な声になった。笑い声だったのか、なんなのか。

ドアが開いて、眠そうな顔をした女房がのぞいて、

「誰から、こんな時間に」と訊いた。

電話は先方から切れた。

「○○さんが亡くなったから、奥様に知らせたいって」

「そんな人知らないわよ。いたずら電話じゃないの。あんまり呼び出し音が長いから目が覚めたの」

と女房はドアを閉めた。

こんな時間にいたずら電話でもないだろうから、間違い電話か?それにしても、名前は名乗らなかったし

こちらの名前を確認もせず、「ですから、奥様にお知らせしたい」と繰り返した。そして、だれかが

死んだらしい。

あれは、なんだったのだろう。

ちょっと薄気味が悪い。

映画の『フロム・ヘル』では最後の犠牲者が映されていた。