国家資本主義とは?

耳慣れない言葉である。

国家資本主義。

いまスイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会で、

アメリカの投資ファンドの創業者が討論の最中で使用した言葉である。

アメリカ、日本、ヨーロッパ経済が衰頽する中、中国だけが成長を

続ける現状に警戒感を強める西側投資家たちを代表した発言といえる。


「このままいくと、2つの資本主義が競い合うことなってしまう。

 西側の資本主義と、中国などの国家資本主義だ。

 どちらが勝つかは分からないが、いまは国家資本主義のほうがより多くの

 雇用を作りだしているように見える。

 欧米側が手を打たないと、国家資本主義が勝ってしまう」


国家社会主義という言葉があった。

ドイツなどで民族主義社会主義を結合した社会思想の概念だった。

ヒトラーのナチズムが国家社会主義と呼ばれたこともある。


中国は共産党独裁の社会主義国だったが、いまは現実的には資本主義経済であり、

共産党によって国家統制をする資本主義国といえる。

それを欧米の投資家たちは、「国家資本主義」と呼んでいるらしい。

しかも、西側の資本主義と競争する、あるいは対立する社会、経済体制として、

中国を国家資本主義と呼んでいる。


ちょっと、おだやかでない気がするのだが、日本の経済学者、社会学者はどうだろう。

「国家資本主義」なる概念を使用しているのだろうか。