沖縄のコアラたち
昨年とおなじホテルである。
夜の7時半に、われわれを、息子夫婦が車で迎えに来た。
車内にはママの両腕に、コアラのようにしがみついている双子の孫がいた。
明日満一歳の誕生日を迎える、女の子たち、ミウとミクである。
かれらは不安顔をして、車に乗り込んでくる「見知らぬ」わくわく亭と女房を見守りつつ、
ママの腕に強くしがみつく。
魚料理の店に、個室の予約がしてあった。室内にたくさんのお気に入りのオモチャを
ひろげて孫たちを遊ばせる。
わくわく亭の女房が、「おばあちゃん」であるとか「バーバー」であるとか孫たちに
自己紹介するものの、抱こうとすれば、泣き出しそうな顔になって、ママの腕の中へと逃げる。
やがて食事となるのだが、眠気を催したコアラたちは、泣き声をあげる。
店内の他の客の迷惑になるからと、ママと女房が抱いて、どこかへ出る。
女房は、さすが女である。孫が泣こうが暴れようが、強引に抱きかかえて、眠らせてしまう。
わくわく亭は、なにを食べたのやら、飲んだのやら、わからぬままに食事が終わる。
ホテルに戻る車の中で、孫たちは警戒の目をして、ママにしがみつくコアラにもどっている。
まだ「おばあちゃん」は不審人物だ。
不審人物はまだいい。わくわく亭は危険人物だ。
無防備なコアラたちは、危険なキツネとか、どう猛なハイエナのようにわくわく亭を警戒する。
触るどころか、目が合っただけで泣き叫ぶ。
ホテルの部屋のテレビでスポーツニュースを見た。
逆転勝ちした。これでテキサス・レンジャースとは3勝3敗。明日の第7戦で決着がつく。
10月29日、晴。
今日は、ミウとミクの1歳の誕生日。
12時半にママの運転する車で、かれらがやってくる。
うるま市の勝連城跡を見に行く。
女房は強引にミクを抱いて、泣き寝入りさせながら、調教に成功しつつある。
わくわく亭には真似はできません。
夕方息子たちのアパートに戻ると、わくわく亭はつかれて、うたた寝をする。
7時半頃パパが仕事から帰って、そろって誕生祝いの食事にでかける。
好ましい沖縄料理の店で、従業員たちは男女ともに、沖縄の伝統衣装を着ている。
持参した誕生祝いのケーキを前にして、記念写真をとった。
運転代行サービスを利用して戻る。料金は2000円だった。
時刻は零時をまわっているというのに、女房はホテルの2階にあるインターネットサービス
を利用して、受信メールを読んだり、返信したりしに行った。
こちらは、くたくたである。