槇林滉二『日本近代文学の内景』
オビの文に本書の内容が要約されています。
《日本近代や日本近代文学は、その生成の過程を含め、様々な地層や断裂がある。本書は、それらの
地層内質の襞や断層の点綴を試みたものである。近代初頭の北村透谷の闘い、内発論や日本近代文学
近代の内襞とその較差を量る》
この要約を読んでも、まことに真面目な日本近代文学の研究書であることが分かります。
「第3章 日本近代文学の諸層」の「第3節 文学と地層」は、つぎの内容です。
(1)壺井栄と島ー胎内の地としてー
この(3)こそが先に(6月22日)紹介した「尾道大学芸術文化学部紀要」に発表された論文
平成期における「尾道の文学」の一つとして論じられている論文なのですよ。
広島の槇林滉二教授へ礼状を書き、『十八歳の旅日記』を同封して送ったところ、
長文の、しかも自筆による返書を頂いた。贈呈した本の読後感想が書いてあるのですが、
いかにも日本文学の学者らしい、懇切丁寧な感想文で、わくわく亭はすっかり恐縮して
しまいました。
この『日本近代文学の内景』一冊はわくわく亭にとって「お宝」本になりました。