在りし昔の尾道(5)
昭和30年ころの街の裏通りの餅つき風景。
わくわく亭は中学生だった。
正月を迎える支度として、歳末に餅をついた。
石臼と杵とで餅つきをしている両親のそばで、子供達がはしゃいでいる。
左のお姉ちゃんは、子守をしているのか、ねんねこを着ているようだ。
中央の奥にも向こう向きの一団が写っているが、そこでも餅つきをしているのかも知れない。
現代から見れば、着ている衣服は粗末なものだろうが、みんな温かそうな顔をしている。
貧しかったけれど、そんなことは苦にもならなかった。
正月を待ちわびて、うれしくてならないのだった。