究極の日本再建策

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山田紳さんの風刺マンガである。ビルの屋上からいまにも転落しかかっているのは菅直人首相

だが、野党の党首たちは素知らぬ様子であり、国民生活は瀕死の状態で「たすけて」と

地面に文字を書いているのもあわれである。

民主党による政権交代が実現したものの、やらせてみれば内紛、内紛で、いまや学級崩壊と

マスコミに罵倒される惨状であり、はやくも解散総選挙が取り沙汰されるありさま。

予算は国会を通ったとしても、予算を執行するための関連法案は野党の反対で通らないと

いわれるから、山田紳さんのマンガの状態になりそうである。


かりに解散総選挙となると、自民・公明の連立政府がカンバックするかもしれない。

それも政権交代だ。しかし、参議院は民主、国民、社民、共産ら野党が多数で、またしても

衆参ねじれ状態はつづくから、両勢力の政局ばかりで、政治は行われないことになろう。


それが民主主義というものだと、ノーテンキを決め込んでもいられない。

なぜなら、日本の国債、地方債の発行残高は危険水域を越えつつあるからだ。

すでに海外の格付け機関が、日本の国債の格付けを引き下げはじめている。

それくらい、まだ大丈夫。

たしかにそうだろう。

しかし問題は、かつての自民党政権にも、いまの民主党政権にも、国家財政が破綻に向かっているのに

それを解決する強い姿勢も信念もなかったことだ。


いまの世界を見渡しても、財政破綻しているギリシャアイルランドはもちろんのこと、

イギリスでもドイツでもアメリカでも、政府および地方の財政再建に勇気をもって取り組もうと

している。

公務員数の削減、給与のカット、議員定数の削減、給与のカットを実行にうつしている。


日本はどうか。

国会議員数があきらかに多すぎる。1票の格差最高裁で、いくど違憲判決が下されても

大胆な改正ができない。議員の歳費もバブル期のままに高止まりして、「学級崩壊」状態の

マチュア議員が法外な報酬をうけとっている。


名古屋市議会で、河村市長が議員報酬の削減を提案しても否決されている。

議員報酬は年間1600万円、それに毎月の資料購入費60万で、あわせて2200万円という。

市長はみずから率先して800万円にしているが、議会は賛同しない。


いろいろ独断専行した阿久根市長だったが、そこでも議員定数と報酬の削減、市職員の

給与カットが反対にあった。


目の前に、北海道の夕張市が直面した財政の破綻、再建団体入りの断崖絶壁が迫り来ているのに、

日本の政治は地方レベルでも中央レベルでも、イギリスやドイツのような危機管理ができない。

断崖から転落するまで、

まあ、なんとか行けるとこまで行きましょう。あとは,次の世代が考えて解決すればいい。

とのらりくらい進んでいくつもりらしい。


総予算の50%以上を新規国債の発行でまかなう国は、先進国では日本だけだ。

あと2~3年もつづければ、累積債務は国民の預貯金総額を超える。

いまでも、年度予算の20%以上は国債償還と利払いに費やされるが、格付けが下がって

金利が上昇すると、消費者金融並の金利を払うような事態になりかねない。

かりに10%以上の金利となったら、累積1000兆円の国債に対して、毎年

100兆円の利払いが発生する。ああ、絶望的だ。

それでも、まだ新規国債は発行することだろう。なにしろ国債発行は「麻薬」だから。

あらゆる条件から考えて、外科的手術なくして、もう日本は財政黒字には戻れない。

消費税10%程度では焼け石に水だ。


で、どうなるか。

大団円が訪れる。

まず、それは全国の地方財政の破綻からはじまる。

いくら議員や公務員が抵抗しようと、夕張のようになる。

議員数は90%削減。給与は50%カット。病院をはじめとする公営機関の多くは閉鎖となる。

これは現在イギリスやアメリカで進行している現実だ。

つぎには、国会議員定数、公務員数、報酬の削減がはじまる。抵抗しようと、

財政破綻すれば、そこから予算削減のスタートになる。


つまり、民主党がていたらくで、無駄の削減も、天下り禁止も、沖縄基地問題も、

なにも解決できず、つぎの自民・公明政権がカンバックしても、財政再建

やろうとしないにきまっているから、

断崖絶壁からの転落は必定となろう。

そうすることによって、

日本が抱えている、議員定数、報酬削減、天下り、沖縄米軍基地へのおもいやり予算

などは自動的に解決されることになる。自動的に無駄なダム建設も中止となる。

なにしろ、お金がないのだから。

さらに、日本円は1ドル120円程度まで円安に動くだろうから、輸入インフレが起きて、

物価は上昇するから、10年も続いたデフレから脱して、ハイパーインフレが来る。

ドル120円になれば、トヨタ、ホンダ、ソニーパナソニックは輸出競争力の回復で

大喜びだろう。

インフレで苦しむのは、低所得者層とわれわれ年金受給者である。

ハイパーインフレになったなら、ああ、デフレ時代は悪くなかったな~と回顧するかも。


日本では、エジプトのような命がけの市民革命がなくても、だらだらだらと、

国家財政再建の勇気も信念も実行力もないままに、政局だ解散だ選挙だと、

この国には日の暮れることがないと信じて歩いているうちに、なんと、

究極の再建策が見えてくるではありませんか。