ビヨンセは「袈裟」か?

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坊主が憎けりゃ袈裟まで憎い、というコトワザがあります。

北アフリカリビアで反政府デモが起きて、首都のトリポリでは治安部隊や傭兵

による激しい武力弾圧が行われ、数百人にのぼる犠牲者が出ていると伝えられています。

最高指導者カダフィ大佐の自宅を空爆したこともあるアメリカ政府が、カダフィ大佐

親欧米に態度を変えて石油資本を受け入れると、表向きはまるでエジプトの元大統領ムバラク

並に友好国のリーダーとして手厚くもてなすようになり、それはつい最近まで

続いていました。

いまはホワイトハウスもマスコミも、カダフィの所行に対して、

最高度の非難を浴びせかけている。

そうした中で、今日のCNNは、「ええっ?」と首を傾げたくなるような報道をしました。

カダフィ家の誰か、おそらく次男のセイフ氏だろうが、その誰かの招きによって、

アメリカの有名なアーティストたちが、カダフィ家の集まりで、ライブをしていたとして、

YOUTUBEに投稿された画像を流していた。

ビヨンセ、マライヤ・キャリー、ライオネル・リッチーというビッグネームです。

「マライヤ・キャリーは100万ドルの報酬を受けた」と解説するとき、

あきらかに、CNNのキャスターは言外に「大金をもらって、あのカダフィ一族のために

ライブをするとは、恥知らずな」というニュアンスがありました。

しかし、それは気の毒じゃないかな。

ホワイトハウスにセイフ氏が訪問したとき、共同記者会見でヒラリー・クリントン国務長官

リビア政府を信頼のできる友好国として、大いに持ち上げていたではないか。

その両国関係が順調な頃に、ビヨンセたちがカダフィ家のためにライブをして、100万ドル

の報酬を得たとしても、いまからさかのぼって、CNNにいやみを言われることはないだろう。

ここで、冒頭のコトワザ「坊主が憎けりゃ袈裟まで憎い」が効いてくるハズです。

え?的外れ?


それに関連して思い出すのは、2月中旬に北朝鮮金正日総書記の次男正哲氏が、シンガポール

エリック・クラプトンのコンサートに行ったときの日本のマスコミ報道。

新聞は「ジョンチョル氏が豪遊したことがあきらかとなった」と報じていました。

どれほどの「豪遊」だというのだろうか。

チケット代一人26、000円の席でクラプトンのライブを大勢のファンにまじって

見たのであり、土産にクラプトンのT・シャツを買ったくらいのことじゃないか。

日本の若者なら誰でもできそうな程度の「豪遊」ではないか。

石油産油国の最高指導者と経済的苦境にある北朝鮮の最高指導者とでは、その「豪遊」の

内容に大きな違いがあるようですよ。