メディアの無知
日本のメディア報道が、ときどき明らかなミスを犯すのを目にすることがある。
報道の主要内容ではないからと、見過ごしても「誤報」とはならない程度の
ことではあるが、なぜ新聞社のデスクがチェックしないのかと、わくわく亭のように
報道の枝葉末節にもこだわる読者がいるのである。
イエメンから発送された航空貨物に爆発物が仕掛けられており、送り先はアメリカの
アルカイダ」から出された。
アメリカのテレビはくわしく報道している。
その航空貨物のことであるが、日本のテレビと新聞では「プリンターのインクカートリッジ」
と報道している。
本日31日の朝日新聞の記事がこれで、写真の説明に「爆発物を仕込んだプリンターの
インクカートリッジ」とある。
しかし、これはパソコンにつないで、個人でもオフィスでも、誰もが使用している
レーザープリンター用の「トナーカートリッジ」なのだ。
プリンターにもインクカートリッジを使うインクジェットプリンターがあるが、
これらは一目で違いが分かる。
外信が入ってきた段階では、インクカートリッジと記者は聞いたのだろうが、
写真を見た段階で、これは「トナーカートリッジ」と表現すべきだと判断すべきだろう。
トナーをドライ・インクと呼ぶ時代もあったが、今では普通名詞として
「トナーカートリッジ」が正しい名称である。
海外からの第一報に「インクカートリッジ」という表現があったと推定されるが
写真を見たら、これが「インクカートリッジ」じゃないと、なぜ気づかないのか。
無知としかいいようがない。
現に下の写真は、いまCNNが報じているテレビから撮ったものだが、
アナウンサーは「トナーカートリッジ」と明確に説明している。
メディアも、記事を書く前に、
自社のオフィス内で使っているプリンターの中身くらい、
見てご覧なさい。