75ドルの市民サービス

自分の家が火事になった!

消防署に電話する。

「火事です。すぐ来て消火してください」と助けをもとめる。

「そちらの場所と名前をどうぞ」

「こちらは○○町△△通りの、□□というものです」と告げる。

「□□さん?待って下さい。コンピューターでしらべています。ありました、□□さん。

 残念ながら、消防車は出動できません」

「なぜですか?家は燃えているのに」

「あなたの家は、今年請求した消防サービス費が未払いです。ですから、市の消防サービスは

受けられません。ご自分で消火してください」



この笑い話のような話は実話です。

2~3日前にCBSだったかCNNだったかのニュース番組で見たおどろくような実話。

たしかバージニア州かどこかの地方都市の話だった。

火災発生で、まわりの住宅からも、延焼、飛び火を心配して、消防車出動要請の電話があった。

消防車は出動した。

しかし、見ているだけで消火活動はしなかった。

75ドル払っていない家だから。

ではなんのために消防車は来たのか?

まわりの75ドルを払っている住民の家に火の手が延びないか、それを警戒していたのだった。



女性キャスターが説明していた。

アメリカでは地方の町によっては、自治体の財政事情が苦しくて、消防車による消火サービスを

保険のように請求するところがあるのだという。それを払っていないと消防車による消火サービス

はうけられないのだと。

そんな町では、警察のサービスも有料で、これも75ドル(?)だったかな。


日本では警察を呼ぶのも、消防車を呼ぶのも、救急車を呼ぶのも只。

(そうした市民サービスは、住民が払っている国税地方税でまかなわれているから、

当然のごとく、われわれは電話をして呼んでいるわけ)


日本のような医療の国民皆保険制度がないアメリカでは、国民が各自で高額の民間保険に

加入している。貧乏な国民は医療サービスがうけられない。

オバマ政権が政府管掌保険をつくろうとして失敗して、妥協の産物として改良型の民間医療保険

制度の法案を通したばかり。

それすら「社会主義的」だと悪評で、反オバマのデモがワシントンをうねる。


強盗が入ってきた!

妻と娘が強姦されそうだ。

夫がケータイで警察に連絡する。

「すぐ来て、妻と娘を助けてくれ」

「どちらの○○さん?いまコンピューターでしらべます。

 残念ですがパトカーは出動できません」

「なぜだ」

「あなたは、警察サービス費の75ドルを未納じゃないですか。

75ドル振り込まれたら、次回からはパトカーサービスうけられますよ」