道ばたに眠るもの
林や畑といった緑が多い大泉学園ではあるが、野鳥のむくろを見ることは
滅多にない。
人が見つければ、すぐに片付けるだろうし、そのまえに犬や猫、あるいはカラスなどが
どこかへ持ち去ってしまうだろう。
わくわく亭の散歩コースである畑と住宅の境で、スズメの死骸をみつけた。
夕方6時頃だった。
少ないとはいえ、人通りはあるのだから、気づいた人もあっただろうが。
気がついても、そのまま行きすぎるのが、いまどきの人なのだろうか。
猫や犬は、まだ通らなかったか、通ったとしても、ひもを握る飼い主が死骸の側へ
近づかせなかったか。
わくわく亭はティッシュにくるんで、そばの公園の生い茂った夏草の中にスズメを
葬ってやった。
狭山丘陵をハイキングしていたころは、野鳥の死骸を時々見かけたものである。
カラスのそれを見たときは、その大きさに驚いた。
まわりに自分のほかに人影がない深い森の中では、気持ちのいいものではない。
スズメはちいさいだけに、横になって眠っているような、あわれな骸である。