普天間基地問題、米国からの提言
のぞいたところ、雑誌「ダイヤモンド」ネット記事の紹介があった。
問題」への緊急提言、というインタビュー記事である。
ジョンソン氏は元カリフォルニア大学政治学教授で、現在は日本および環太平洋地域の
国際関係を研究する民間シンクタンク“日本政策研究所”(JPRI)の所長である。
日本国内では、この問題処理に対する鳩山首相の迷走ぶりと拙劣さとが激しい非難を浴びて
側から見た提言は、傾聴にあたいすると思い、すこし長いが引用させていただく。
ダイヤモンド オンライン特別レポート、2010年5月7日
“ 米軍に普天間基地の代替施設は必要ない!
日本国内にはすでに十分すぎる米軍基地があり、日本国民は結束して普天間基地の
無条件閉鎖を求めるべきだと提言する。”
《まったく悲劇的だ。両政府は1995年の米兵少女暴行事件以来ずっと交渉を続けてきたが、
いまだに解決していない。
実を言えば、米国には普天間飛行場は必要なく、無条件で閉鎖すべきだ。
在日米軍はすでに嘉手納、岩国、横須賀など広大な基地を多く持ち、これで十分である。
そもそもこの問題は少女暴行事件の後、日本の橋本首相(当時)がクリントン大統領(当時)に
「普天間基地をなんとかしてほしい」ということで始まった。
この時、橋本首相は普天間飛行場の移設ではなく、無条件の基地閉鎖を求めるべきだったと思う》
《それは余った広大な敷地をもつ嘉手納基地でもできるし、あるいは米国内の施設で行うことも可能だ。
少なくとも地元住民の強い反対を押し切ってまでして代替施設をつくる必要はない。
このような傲慢さが世界で嫌われる原因になっていることを米国は認識すべきである。
沖縄では少女暴行事件の後も米兵による犯罪が繰り返されているが、
米国はこの問題に本気で取り組もうとしていない。
日本の政府や国民はなぜそれを容認し、米国側に寛大な態度を取り続けているのか理解できない。
おそらく日本にとってもそれが最も簡単な方法だと考えているからであろう》
-岡田外相は嘉手納統合案を提案したが、米国側は軍事運用上の問題を理由に拒否した。
《米軍制服組のトップは当然そう答えるだろう。
しかし、普天間基地が長い間存在している最大の理由は米軍の内輪の事情、
すべては米国の膨大な防衛予算を正当化し、軍需産業に利益をもたらすためなのだ。
米軍基地は世界中に存在するが、こういう状況を容認しているのは日本だけであろう。
もし他国で、たとえばフランスなどで米国が同じことをしたら、暴動が起こるだろう。
日本は常に受身的で日米間に波風を立てることを恐れ、基地問題でも積極的に発言しようとしない。
民主党政権下で、米国に対して強く言えるようになることを期待する。(略)
日本にはすでに十分すぎる米軍基地があり、他国から攻撃を受ける恐れはない。
もし中国が日本を攻撃すれば、それは中国にこれ以上ない 悲劇的結果をもたらすだろう。
中国に関するあらゆる情報を分析すれば、中国は自ら戦争を起こす意思はないことがわかる。
中国の脅威などは存在しない。
それは国防総省や軍関係者などが年間1兆ドル以上の安全保障関連予算を正当化するために
作り出したプロパガンダである。過去60年間をみても、中国の脅威などは現実に存在しなかった。
北朝鮮は攻撃の意思はあるかもしれないが、それは「自殺行為」になることもわかっていると思うので、
懸念の必要はない。確かに北朝鮮の戦闘的で挑発的な行動がよく報道されるが、
これはメディアが冷戦時代の古い発想から抜け出せずにうまく利用されている側面もある》
(略)
―日本では普天間問題で日米関係が悪化しているとして鳩山政権の支持率が急降下しているが。
《普天間問題で日米関係がぎくしゃくするのはまったく問題ではない。
日本政府はどんどん主張して、米国政府をもっと困らせるべきだ。
これまで日本は米国に対して何も言わず、従順すぎた。
日本政府は米国の軍需産業のためではなく、沖縄の住民を守るために主張すべきなのだ。
日本人が結束して主張すれば米国政府も飲まざるを得ない。(略)
同じ日本人である沖縄住民が米軍からひどい扱いを受けているのに他の日本 人は
なぜ立ち上がろうとしないのか、私には理解できない。
もし日本国民が結束して米国側に強く主張すれば、米国政府はそれを飲まざるを得ないだろう》