内田樹(うちだたつる)先生

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内田樹著『日本辺境論』は近ごろ出色の日本論、日本人論だと思う。

著者の内田樹神戸女学院大学の教授である。

いまや出版すればすべてがベストセラーになるという超売れっ子の著作家となった。

現在59歳で、来春定年退職の予定だそうであるが、いきなり売れっ子になったのではないらしい。

苦労人でもある。

東京生まれで、日比谷高校進学。高校中退して、大検から東大仏文科へ。

卒業後、翻訳会社経営。都立大学の助手、

いつまでも大学の教職の仕事がみつからず、ようやく40を前にして神戸学院大学

助教授の口がみつかった。その間に結婚、そして離婚。神戸には6歳の娘と二人で

移り住んだ。

やがて、女子大の教授に。

子育てをしながら大学でフランス語をおしえて10年が過ぎた。

ネットで「内田樹の研究室」というHPにエッセイ風の論文を書いていたところ

それを見た若い出版人から本にしたいと申し出があった。

それが『ためらいの倫理学』で、内田先生は50歳だった。

それから次々と出版の依頼が来て、『日本辺境論』(新潮新書)では今年の新書大賞を受賞。

さらに、昨年は再婚もなさったというおめでたい話。

合気道6段という武道家でもある。

来春大学を定年で退いた後は、執筆活動と武道家としての活動に邁進なさるのだそうである。

苦労人の思想家が書く文章には、説得力が備わる。

『日本辺境論』は、わくわく亭おすすめの一冊である。