杉浦日向子アルバム(2)

雑誌「ユリイカ」臨時増刊号から、マンガ家杉浦日向子さんの写真紹介をつづけよう。

ほとんどの写真はカメラマンである五歳上の実兄鈴木雅也さんが撮ったもの。

杉浦さんが亡くなったのは、2005年7月22日、午前4時25分だった。

享年46歳7ヶ月、と鈴木雅也さんは記している。

新聞報道やWikipediaでは死亡時刻を午前4時32分としたのだが、正しくは25分だった、と

雑誌に書いている。

死亡時間を確認した医師のケータイの時刻が7分間進んでいたための「誤報」だった。

そんな7分の誤差にこだわるのは鈴木雅也さんが、実兄としては、なにからなにまで

まちがいなく正確に、「妹・順子」を見守って、送ってやりたいという肉親の情からなのだ。

かれら兄雅也と妹順子(日向子さんの本名)は、仲のいい兄妹であり、生涯おたがいを、

「ジュン」「マーちゃん」と呼び合っていた。



つぎの写真は雅也さんが撮った、8歳の日向子さん。

自宅でいとことお絵描きをしている。真剣な顔である。

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次は11歳。自宅で肩にとまらせたインコの「アオ」と。

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この写真はとてもいい。

14歳ころの中学生。家族で多摩湖へ行ったときの写真。

はつらつとして、見るからに健康で、楽しいことがいっぱいだ、という表情の彼女。

そして、息子の雅也さんがカメラを構えているから、「気をつけ」の姿勢をして、

お腹を出して背をそらせているお父さんの笑顔が、とてもいい。

いい家族をこしらえてきた、子供たちの理解者だったにちがいない父親のすてきな笑顔

である。

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                ☆つづく☆