本がどんどん減っていく!
雑誌と書籍を合計した本の販売が1996年をピークにして年々減少してきたが、
ついに合計で2兆円を割り込んだというニュースである。
(但し、マンガ雑誌は含まれていないらしい)
21年前の1988年の販売高に戻ったことになる。
特に雑誌の休刊、廃刊ラッシュが続いている。
このニュースは、毎年くりかえし報じられているから、いまさら驚く人もすくないだろう。
ここで、ちょっと考えてみたいことがある。
書店が売れない本を返品する返品率のことだ。
2009年の返品率は約41%だったらしい。
これはすごいことですよ。
上のグラフは販売額で、返品額は示されていないが、2009年の販売額が1兆9356億円
だったそうだから、これに対して売れなくて返品された本が41%およそ1兆3000億円分
あったことになる。
想像もつかないほどの、山のようなボリュームになるだろう。
すべては、裁断されて、焼却されたのだろう。
紙と印刷インクの膨大な「ゴミ」として処分されたのだ。
なんという資源の無駄だろうか。
日本では毎日廃棄している膨大な食品の量については様々に報道されているが、
この返品された本の処分については、ほとんど報道もなされていない。
日本では本の流通は再販制度がとられているために、定価販売しか認められず、
そのかわりに売れなければ返本が認められている。
エコ時代に、このような紙の無駄を続けていて許されるのだろうか。
再販制度の見直しがなされるべきだと思うのだが、いかがなものでしょうか。
ことのついでに、紙を必要としない「電子書籍」のびっくりニュースを。
ことは知られています。
携帯できる小型の端末リーダーで書籍をダウンロードして読むのです。
そんなものが売り出されても、本はやっぱり紙でないと読む気はしないだろう。
まだまだ電子書籍の普及は遠い未来の話だろう、などと思っていたら、とんでもない。
2009年のクリスマス当日、AMAZONでは紙の書籍の売り上げを、電子書籍の
売り上げが初めて上回ったという、ちょっとショッキングなニュース。
ただ1日だけの記録だとしても、これは記憶さるべき事実だと思う。
世界一の書籍販売高を上げているAMAZONで、一度起きたことは、つぎつぎと
くりかえし起きて、近未来に、本は「電子書籍」で読むのが常識ということになりそうだ。
出版業界は生き残ることができるのか。街の書店はどうなるのか。
ケータイにダウンロードして楽曲を聴くため、CDが売れなくなった音楽業界のように
なるのか。
そのときには、皮肉なことに、上に書いた、返品による膨大な紙の無駄の問題は解決に
向かうことにはなるが。