煙が目にしみる

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このタイトルで思い出すのは、アメリカの人気グループ、ザ・プラターズのヒット曲

「Smoke Gets In Your Eyes」(煙が目にしみる)です。

おなじタイトルの劇を昨日見てきました。

真夏座第117回公演でした。

作は堤泰之さんで、いくつかの劇団が上演しているコメディだということです。

おはなしは、ある火葬場の待合室に白装束の男が二人あらわれる。

かれらは死んだばかりで、これから自分たちの死体が火葬に付されるのをまっている。

一人は女たらしで、わかい愛人の体の上で復上死した北見(この得な役を演じるのが

友人の羽藤雄次さん)。今一人は高校野球監督として家族をほったらかして生きていた

野球バカの野々村。

かれらの遺族が待合室にあつまって、ドタバタの行き違いを演じるが、

ボケたとおもわれている野々村の老母が、かれら二人の亡霊が見えて会話が出来る。

老母を演じるのが真夏座主宰者であり、演出者である老練な池田一臣さん。

さすがにうまいおばあさん役で、つぼつぼで笑わせる。

老母が霊媒師の役をつめて、生前の家族のわだかまりを解きほぐしてゆき、

愛していたよ、と伝え合うことで、観客の涙を誘う。

ラストに両家が一緒の記念写真をとるのだが、ちゃっかりと2人の亡霊も写真にうつる。

それが上のポスターの中に描かれている集団写真。

煙草好きの亡霊ふたりの煙が目にしみるのか、

いやいや、やはり火葬場の煙が目にしみるのであろう。

プラターズの曲では、真実の愛が心で燃えるとき、その煙が目にしみて涙がでるのだと

歌っていたよ。


楽しいコメディを、いつもの仲間で観劇した。

DJのタキザワさん、劇場照明家だったイワシナさん、ノンフィクション作家のタカミヤさん

とわくわく亭の4人。

芝居が終わっても、まだ午後の3時過ぎだった。

ぶらぶら後楽園から水道橋方向に歩いて、やっと見つけた居酒屋へ落ち着く。

土曜日の午後3時すぎ、客はわれわれだけ。

今日の芝居の評判は4人とも上々でした。

6時半過ぎて、ようやく若いお客が入ってきた頃、われわれは引き揚げました。

ああ、愉快な一日でした。