妊婦はなぜ免疫力が低下するのか?

新型インフルエンザに感染すると、妊娠女性は重症化しやすい、と伝えられて

それは常識になっている。

何故かというと、妊娠すると免疫力が低下するからだと説明がある。

免疫力が低下すれば重症化する可能性がある。

なるほど、そうか。

と、分かったような気がするが、

なぜ妊婦は免疫力が低下するのか、一般の成人との大きな違いは何なのか。

わくわく亭は、もうすこし知りたかった。

なにしろ女性でない身であるから、そうした勉強をしたことがなかったからである。


今日の新聞で、オーストラリアの保健省による新型インフル患者の分析記事のなかで、

すこし疑問が解けた。

オーストラリアの感染はピークを過ぎつつあるそうだが、これまでに入院した妊娠女性は

190人、そのうち4人が亡くなっている。

分析によると、妊娠初期よりも後期、末期に入った妊婦の入院が多くなっている。

後期になるほど重症化のリスクが高まるということだ。

なぜか?

妊娠中の女性は、自分の免疫力が胎児を「異物」として拒絶したり攻撃したりしないように、

免疫力が下がるのだそうである。

さらに、妊婦の肺の容積に大きな変化が起きる。

胎児が成長すると、その成長分だけ妊婦の肺の容積は小さくなるのだそうだ。

そうなると、呼吸力が弱くなるし、咳をしても負荷は大きくなるだろうし、

タンを排出する力も弱くなってしまう。

そこへ肺に新型インフルのウイルスが侵入して、爆発的に増殖するとなると

重症化するリスクがあるということなのだ。

妊娠すると胎児の成長分だけ肺の容積が小さくなるなんて、

男達は知らないのではないか。

また結婚はしていても、妊娠経験のない女性にとっても、これはよく知らない身体システム

ではないのだろうか。


いずれにしても、新型インフルエンザは、これから北半球では流行期に入る。

感染したくないけれど、感染したならば重症化しないよう対応したいものです。