「百年の誤読」(1)

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『百年の誤読』ちくま文庫(2008年11月発行)¥880.

このタイトルは1982年にノーベル文学賞を受賞した、南米コロンビアの作家

ガブリエル・ガルシア=マルケスの小説『百年の孤独』のもじりである。

どんな本であるか、省エネで、裏表紙にある内容説明を引用する。



「稀代の本読み2人が、20世紀100年間のベストセラーを読みつくす!

 徳富蘆花の『不如帰』や与謝野晶子『みだれ髪』から始まり、渡辺淳一の『失楽園

 五木寛之の『大河の一滴』まで、明治・大正の文豪から昭和の重鎮までを、俎上に載せて

 語りつくす。意外な本に感動したり、今読むと驚くほどつまらない作品だったり……。

 読書の喜びを教えてくれる一冊」



 2人の書評家は岡崎宏文(54才)さんと豊﨑由美(48才)さん。

100年前の本も読むのであるから、かれらの年齢は意味のある要素だと思って年齢をチェックした。

本の帯に印刷されたキャッチが気に入って、わくわく亭は買って読んだ。

それは、



「剝がします、ベストセラーの化けの皮 

 明治の文豪から昭和の重鎮まで

 20世紀文学を読みつくす!!」


結論から言うと、とても面白い本だった。

自分がどの時代のベストセラーや評判の高かった本を読んできたか、

あるいは、読まずに来たか、それを振り返ってみることができるわけだし、

やっぱり読まないで正解だったという発見などもあって楽しい本である。

また、ベストセラー本の質の変化、質の低下が明らかになるに従い、

やはりそうかと寒々しい気持ちにさせられたり。

ある年代まで、ここに取り上げられた本は殆ど読んでいるが、ある年代からは、

まったく読まなくなっているという自分の読書傾向も鮮明になる。

ベストセラーという本と大きく異なる方向へと、自分の読書傾向変化の軌跡が見えて

それもまた面白かった。

それでは、どの年代にどんな本が読まれていたか。

また、どの本をわくわく亭はよんだか、読まなかったか、それを紹介してみようか。

読んだ本には○で、好きな本、評価する本には◎、評価しない本には●をつけるのもいいかもしれない。

なにしろ、明治から今日まで100年間の本である。冊数も多いことだから、

何回かに分けながら、ゆるりとまいりましょう。